OUR SERVICE

ウシオ電機株式会社様

製造業

「Future IoT」をベースにIoTプラットフォームを構築
ビッグデータのリアルタイム分析で
品質と生産性を向上

フューチャーアーキテクト株式会社
真野 隼記
テクノロジーイノベーショングループ所属。
先端技術を起点としたビジネス改革を推進する。
フューチャーアーキテクトはウシオ電機株式会社のビッグデータの有効活用を支援するため、同社に向けてIoTプラットフォームサービスを構築した。ネットワークに接続された機器や工場内の設備から収集されるビッグデータをリアルタイムに一元管理・分析し、生産効率や品質の向上につなげる。加えて、新たな付加価値を創出し、競争力の強化を図る。
Project Outline

プロジェクト概要

フューチャーアーキテクトはウシオ電機株式会社(以下、ウシオ電機)の生産工場内の設備にIoT機器を設置してネットワークに接続し、自動で抽出される膨大なプロセスデータをクラウド上でリアルタイムに収集・加工・蓄積するシステムを構築した。データを精緻に解析して生産性や品質の向上に取り組むとともに、科学的な経営管理と迅速な意思決定を推進していく。今後は国内外の主要工場に展開し、IoTやAIのさらなる活用による新たなサービスや事業の創出も視野に入れる。

お客さまの課題
  • タイムリーではないデータの分析
  • 各工場、各工程で個別管理された生産工程
  • 品質維持に必要な詳細データの取得が煩雑
効果・メリット
  • 生産工程で発生するあらゆるデータをデジタルで一元管理することにより、データの可視化や関連データの紐づけができるようになった。
  • 品質のばらつきを起こす真因を特定しやすくなり、品質と労働生産性が向上した。
  • 生産中に課題が発生した際にスピーディーに調査・改善ができるようになった。
  • 生産現場の状況を把握しやすくなり、より効率的かつ科学的な経営管理に転換した。
FUTURE IOT

IoTやAIなどの最新技術を用いてビッグデータを有効活用
トレーサビリティ、品質管理、生産性が向上

本プロジェクトはウシオ電機からの相談を受けスタートした。フューチャーアーキテクトは2016年4月、生産工程における課題の洗い出し、優先順位付けや解決法の調査・検討から着手し、17年3月、スケジュールどおりにオリジナルのIoTプラットフォームサービスをリリースした。担当の真野は、本プロジェクトの意義を次のように語る。

「ウシオ電機は生産効率や付加価値の向上による競争力強化のため、IoTやAIなどの最新技術を用いたビッグデータの本格的な活用を経営課題としていました。そこで私たちは、これまでの知見とノウハウを結集したクラウドサービス『Future IoT』をベースにウシオ電機向けのしくみをつくりました。機器や工場の設備をネットワークに接続して生産工程のデータや稼働情報を収集し、一元管理します。膨大な情報をリアルタイムに分析することで生産効率や品質が向上し、精度の高い生産履歴管理もできるようになりました」

将来を見据え全体設計したシステム
幅広い選択が可能な高い柔軟性と拡張性

「Future IoT」は生産工程で発生するあらゆるデータをデジタル化、可視化する。これを活用することにより、進捗の把握、生産上の課題の抽出や改善プランの作成が容易になり、クレームがあった場合も迅速に対応できるようになった。システムの全体設計にはフューチャーアーキテクトの技術とノウハウがふんだんに詰め込まれ、高い柔軟性と拡張性を保っている。海外の生産拠点への展開も見据え、たとえネットワークが切断されても生産ラインは止まらないつくりだ。生産設備へのデータ書き込み方式を独自開発したことで、将来的にいずれのクラウドサービスへも乗り換えられる。

「お客様のビジネスにとってなにが最適かを常に考えます。綿密な技術調査をし、実績があまりなくても将来性があれば積極的に採用しました。また、『ないものはつくる』という私たちならではの強みを発揮し、要所となる部分や既製ソリューションにおいては最適な選択肢がない場合には、自分たちで開発しました。特定の製品やサービスに依存していないので、今後も、そのときの状況に合わせて自由な選択ができます」

国内外の主要工場で順次展開
予防検知や技術伝承も視野に

本プロジェクトが成功したポイントはいくつかあるが、特に、スケジュールどおりだった確実なプロジェクト運営、クラウドやIoT、AIといった最新トレンドから原理原則までを網羅するITに関する深い知見は大きな信頼を生んだ。「Future IoT」の活用は次のステップへと進み、国内外の主要な工場への展開が進められている。AIを活用し、製品の予防検知や技術者の育成、熟練工の技術の伝承など、新たな取り組みも視野に入れる。

「今回のプロジェクトはお客様にとって『Future IoT』の効果を測る試金石であり、非常に注目されていました。IoTプラットフォーム稼働後は、関心を持たれているいくつかの部門からデータ活用についての相談をいただいています。蓄積されるデータをより精緻に解析することで、新たなビジネスの創造にもつながるでしょう。まさにお客様の未来価値向上に貢献できたと実感します。『Future IoT』をさらに進化させ、広めていくことで、日本のものづくりを支えていきたいと考えています」