お客様のビジネスの未来図を描き、最先端の技術で具現化する。フューチャーアーキテクトのプロジェクトを紹介します。
ITガバナンスとITコストを適正化 戦略的な投資を拡大し 次世代型コンビニエンスストアをめざす
フューチャーアーキテクトとローソンの関係は2007年、次期システムの投資計画の評価・再デザインからスタートした。その後、中長期IT戦略検討や策定、システム構築や運用保守、また新規ビジネスの立ち上げ・推進、M&Aや提携に伴うシステムデューデリジェンス、IT戦略部門への出向や研修を通じての人的交流など、幅広い支援を続けている。
両社のパートナーシップは10年を超える。なかでも最大規模のプロジェクトは25年使い続けたホストコンピュータを撤廃し、シンプルでスリムな新システムに置き換えたものだ。数々のサービスの追加・変更に伴い、システムが複雑化し、今後の変化への足枷になりかねない状況であった。フューチャーアーキテクトはITへの深い理解とこれまでのノウハウを最大限に活かし、2年で新システムを構築し、2012年にリリースした。
「当時のシステムは高コスト構造だったため、中長期的なIT戦略を考えると抜本的な改革が必須でした。ローソン様と一体となって取り組んだ新システムへの移行が成功したことで、2007年当初にベンダーが提示していた投資計画からITコストを大幅に削減できました」(小松)
「単なるハードウェアの入替ではなく、環境変化を見据えた機能の取捨選択をし、新しい技術を採用しました。何か施策に取り組もうとしたときもシステムが柔軟に対応できるので、スピーディーに実行できます。変化に強い体質となり、企業の競争力を上げることができました」(土屋)
ここ数年ローソンが取り組む全社業務改革のひとつが店舗生産性の向上だ。複雑化・多様化する店舗業務に労働人口の減少による人手不足が加わり、オペレーションの単純化・効率化が強く求められ続けている。その解決策として2015年秋に発注業務を半自動化するシステムが全店展開された。
「立ち上げから参画し、事業計画の作成、システム構成の検討、プロジェクトマネジメントなどに従事しました。店舗オペレーションで使う端末を多機能タブレットに切り替えたことも功を奏し、店舗生産性が向上しました。ほかにも、発注時間を約半分に削減できた店舗もあります。効率化されたことで接客や店内調理に時間が割けるようになったり、スタッフを教育する余力が生まれたりと、より魅力的な店舗づくりに役立っています」(土屋)
「ともに推進した次期システムへの投資計画の見直しからホスト撤廃に至るまでの取り組みにより、ITガバナンスが取り戻せ、ITコストが適正になりました。圧縮できた分は、次世代を見据えた戦略的な投資に充てられています」(小松)
ローソンは2015年、SGホールディングス株式会社(以下、SGホールディングス)と共同事業会社SGローソン株式会社を立ち上げた。橋渡しをしたのはフューチャーアーキテクトだ。
「私たちとパートナーシップがあるお客さま同士をつなぎ、業務やシステムの設計にも携わりました。SGホールディングス様にとっては、中核事業である宅配便サービスのローソン店頭受取を可能にすることで不在再配達を低減できるメリットがあります。また、ローソン様にとっては、店頭やネット宅配の商品を一緒にお届けするという新サービスを顧客に提供できるメリットがあります。両社にとっての新たな価値を追求し、新しいビジネスを創造する支援ができました」(小松)
ローソンは2021年度をターゲットにした中期経営ビジョンで「ローソン型次世代コンビニエンスストアモデル」の構築を掲げる。
「ローソン様は自動セルフレジ機や電子タグの実証実験を行っています。私たちもAIやIoTなど新しい技術を活用した事例を蓄積していますので、お互いの知見を持ち寄って進められることがあるでしょう。これからも “新たなローソン”を創るお手伝いができればと思います」(土屋)
「私たちは経営とITをデザインする会社です。お客様の経営と業務とITをひとつの目線で考えられるのが大きな強みです。これまで培ってきた、ローソン様の経営戦略、業務、カルチャー等への深い理解をもとに未来価値を追求し、引き続き信頼されるパートナーでありたいと思います」(小松)