2026.08.04
フューチャー流「AIステートメント」―「経営とAIをデザインする」AI社会実装No.1カンパニーへ
フューチャーは、今年4月にAI利活用についての方針や考えをまとめた「AIステートメント」を発表しました。今回はその内容に基づき、私たちが目指す「AI社会実装No.1カンパニー」への挑戦についてフューチャーアーキテクト代表の齋藤洋平が語ります。
経営とシステムをAIで再定義する―「AI社会実装No.1」へ向けた挑戦
生成AIの急速な進化に伴い、ビジネス環境は激変しています。今やAIは単なる業務効率化のツールではなく、企業の命運を左右するコア・エンジンです。フューチャーは創業以来、「経営とITのデザイン」を強みにお客様の変革を支えてきましたが、今年、「経営とAIをデザインする」という新たなコンセプトを打ち出しました。これからの企業は、部分的なAI導入に留まることなく、「経営」「業務」「システム」のすべてをAI前提(AI-Native)に再定義し、経営や業務の仕組み全体にAIを組み込む真の全体最適「トータルデザイン」を実現します。
2026年4月に発表した「AIステートメント」では、私たち自身も「AI社会実装No.1カンパニー」を目指すという強い決意を込めました。
迫られる「部分最適」からの脱却―なぜいま、トータルデザインなのか?
1989年の創業以来、私たちは一貫して「特定のベンダーに依存しない中立な立場」で、お客様にとって最適なITアーキテクチャをデザインしてきました。複雑な大規模基幹システムの刷新を数多く手がける中で培った技術の目利き力と実装力に、多くのお客様から信頼を寄せていただいています。
昨今はAI活用に関するご相談も増えていますが、その内容に明確な変化を感じています。初期の「何にどう使えるのか?」というフェーズは終わり、現在は「経営数値にインパクトを与える投資対効果(ROI)をどう見極めるか」「法的・倫理的リスクに対応し、いかにガバナンスを効かせるか」といった、より高度なマネジメントの相談が増えています。
こうした課題はAIサービスを部分的に導入するだけでは解決せず、いかに自社の基幹業務にAIを組み込むかという観点が必要です。AIがどれだけ優秀でも、システム全体、さらには組織や人の動きと調和していなければ、真の価値は発揮されず統制も効きません。だからこそ、私たちはAI市場における自社の立ち位置を、既存のAIプラットフォーマーともベンダーとも異なる第三極の「トータルデザイナー」と位置付けました。私たちが目指すのは、設計段階からセキュリティ対策を組み込み、「経営」「業務」「システム」が連動するよう最適配置されたAIアーキテクチャをトータルにデザインすることです。部分最適のAI利用を脱し、全体最適の視点でビジネスそのものをAI前提に再定義することが、私たちが果たすべき役割だと確信しています。
フューチャーが誇る「基礎研究」と「社会実装」の両輪
私たちが目指すAI社会実装No.1カンパニーを実現する鍵となるのは、最先端のテクノロジーを追求する「基礎研究」と、現場に寄り添いながら変革をもたらす「社会実装」の強力な両輪です。
世界水準の「基礎研究」
私たちは単に既存のAIを組み合わせて使うだけの集団ではありません。テクノロジーに特化した専門チームを中心に、先端技術を追求し続けています。 その一例として、経済産業省の「GENIAC」プロジェクトに採択され、独自開発したLLM(大規模言語モデル)を世界に公開しました。さらに、大学との共同研究を進め国内外のトップカンファレンスで複数の論文が採択されるなど、技術の最前線で実績を上げています。
経営数値にコミットする「社会実装」
一方で、優れた技術もビジネスの現場で役立たなければ意味がありません。物流・金融・流通・製造・エネルギーなど、多様な業界に精通した事業部と専門チームが協業し、お客様の経営数値に直結する真のDXを支援しています。
知財としてこれまで独自に蓄積してきた業界特化型ソリューションと、AIの融合も着実に進んでいます。
- 金融領域:フルオープンAPIを備えた次世代勘定系システム「InfiniBANK」や、戦略業務系システム「FutureBANK」
- アパレル領域:業界特化した基幹プラットフォーム「FutureApparel」
- メディア領域:新聞出版業界向けCMS「Glyphfeeds」
- セキュリティ領域:脆弱性管理サービス「FutureVuls」
さらに、AIモデルやアルゴリズムといったソフトウェアだけでなく、自社開発を進める「AIアクセラレータ」などのハードウェア技術も含め、トータルでの最適解を導き出せるのが、私たちの独自の強みです。
未来価値を最大化する「3つの注力テーマ」
今回のステートメントにおいて、私たちは「お客様の未来価値最大化」をミッションに、その実現に向けて3つの注力テーマを掲げました。

テーマ1:経営×ITにAIを融合した「トータルデザイン」
経営の現場においてAIは「どう使うか」ではなく「当たり前にある前提」へとシフトしています。戦略策定からシステム実装、日々の保守運用まで一貫して伴走できるフューチャーだからこそ、全社基盤となるAIエージェントやアーキテクチャの構築が可能です。自然言語処理、数理最適化、動画・画像解析、MLOps(機械学習運用)、データ分析といった専門性を結集し、基幹領域を中心にAIの社会実装を拡大していきます。
テーマ2:AI-Nativeな設計・開発変革による「生産性3倍」への挑戦
「お客様の変革を支援するなら、まず自分たちが圧倒的な自己変革を遂げなければならない」ーこれが私たちの哲学です。 私たち自身も、プロジェクト運営の核となる設計・開発プロセスそのものにAIを深く統合することで、2027年以降の開発生産性を従来の3倍に向上させるという目標を掲げています。
具体的には、AI設計駆動開発の進化です。独自開発しているコード生成やレビュー、不具合改修を行うAIエージェントに、フューチャーが持つ膨大な過去の設計情報やソースコードを学習させ、設計・開発プロセス自体をAI化していきます。また、品質管理そのものにもAIを適用し、スピードと超高品質を高い次元で両立させていきます。
さらに、これまでのノウハウを科学的に整備した独自ソリューション「Futurefraqta」を活用した「ファクトベースモダナイゼーション」を提供します。従来の「全面刷新」か「ストレートコンバージョン」かの二択ではなく、現行システムというファクトをベースに、AIネイティブな設計・開発基盤への接続を見据えた効率的な基幹刷新プランです。現行システムの構造やコードを解析することで、システム領域を適切に切り分け、その領域ごとに特性やビジネス上の重要度を判断し複数の方式を組み合わせて最適なモダナイゼーションを実行します。
テーマ3:技術資本・人的資本の投資強化
フューチャーにとって、社員の知識や経験、そして能力は、持続的な成長をもたらす最大の「資本」です。 AI時代に求められるコンサルタント人材を育成するため、「ビジネス」「マネジメント」「テクノロジー」「エンジニアリング」の4要素において、提供価値をアップデートした独自の研修プログラムを確立しました。
また、先端領域における学会への参加や大学との共同研究に加え、働きながら博士号取得を目指す社員を支援する社会人博士育成支援プログラム(Future PhD Support Program)など高度専門人材への投資を拡大しています。人的資本への投資を惜しまないことこそが、これからの未来を牽引する原動力になると確信しています。
過去の延長線上ではない「非連続な成長」へ
今回のステートメント発表は、フューチャーがこれまでの成功体験に安住することなく、自らも「AI-Native」へと再定義する挑戦です。
私たちが目指すのは、過去の延長線上にある成長ではありません。AIとITアーキテクチャをトータルにデザインするプロフェッショナル集団として、自らの殻を破り、非連続な成長を目指します。そして、私たちが進化することで、より多くの、より複雑な社会課題・経営課題に向き合い、お客様の「未来価値の最大化」に貢献していきます。
フューチャーアーキテクト、そしてフューチャーグループのこれからの挑戦に、ぜひご期待ください。
所属・役職は記事公開当時のものです