<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<rss version="2.0">
<channel>
<title>LEAD TO THE FUTURE</title>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/</link>
<description></description>
<language>ja</language>
<copyright>Copyright 2026</copyright>
<lastBuildDate>Tue, 04 Aug 2026 10:00:00 +0900</lastBuildDate>
<generator>http://www.sixapart.com/movabletype/</generator>
<docs>http://www.rssboard.org/rss-specification</docs>


<item>
<title>フューチャー流「AIステートメント」―「経営とAIをデザインする」AI社会実装No.1カンパニーへ</title>
<description><![CDATA[<h2>経営とシステムをAIで再定義する―「AI社会実装No.1」へ向けた挑戦</h2>
<p>生成AIの急速な進化に伴い、ビジネス環境は激変しています。今やAIは単なる業務効率化のツールではなく、企業の命運を左右するコア・エンジンです。フューチャーは創業以来、「経営とITのデザイン」を強みにお客様の変革を支えてきましたが、今年、「経営とAIをデザインする」という新たなコンセプトを打ち出しました。これからの企業は、部分的なAI導入に留まることなく、「経営」「業務」「システム」のすべてをAI前提（AI-Native）に再定義し、経営や業務の仕組み全体にAIを組み込む真の全体最適「トータルデザイン」を実現します。</p>
<p>2026年4月に発表した「AIステートメント」では、私たち自身も「AI社会実装No.1カンパニー」を目指すという強い決意を込めました。</p>
<h2>迫られる「部分最適」からの脱却―なぜいま、トータルデザインなのか？</h2>
<p>1989年の創業以来、私たちは一貫して「特定のベンダーに依存しない中立な立場」で、お客様にとって最適なITアーキテクチャをデザインしてきました。複雑な大規模基幹システムの刷新を数多く手がける中で培った技術の目利き力と実装力に、多くのお客様から信頼を寄せていただいています。</p>
<p>昨今はAI活用に関するご相談も増えていますが、その内容に明確な変化を感じています。初期の「何にどう使えるのか？」というフェーズは終わり、現在は「経営数値にインパクトを与える投資対効果（ROI）をどう見極めるか」「法的・倫理的リスクに対応し、いかにガバナンスを効かせるか」といった、より高度なマネジメントの相談が増えています。</p>
<p>こうした課題はAIサービスを部分的に導入するだけでは解決せず、いかに自社の基幹業務にAIを組み込むかという観点が必要です。AIがどれだけ優秀でも、システム全体、さらには組織や人の動きと調和していなければ、真の価値は発揮されず統制も効きません。だからこそ、私たちはAI市場における自社の立ち位置を、既存のAIプラットフォーマーともベンダーとも異なる第三極の「トータルデザイナー」と位置付けました。私たちが目指すのは、設計段階からセキュリティ対策を組み込み、「経営」「業務」「システム」が連動するよう最適配置されたAIアーキテクチャをトータルにデザインすることです。部分最適のAI利用を脱し、全体最適の視点でビジネスそのものをAI前提に再定義することが、私たちが果たすべき役割だと確信しています。</p>
<h2>フューチャーが誇る「基礎研究」と「社会実装」の両輪</h2>
<p>私たちが目指すAI社会実装No.1カンパニーを実現する鍵となるのは、最先端のテクノロジーを追求する「基礎研究」と、現場に寄り添いながら変革をもたらす「社会実装」の強力な両輪です。</p>
<h3>世界水準の「基礎研究」</h3>
<p>私たちは単に既存のAIを組み合わせて使うだけの集団ではありません。テクノロジーに特化した専門チームを中心に、先端技術を追求し続けています。 その一例として、経済産業省の「GENIAC」プロジェクトに採択され、独自開発したLLM（大規模言語モデル）を世界に公開しました。さらに、大学との共同研究を進め国内外のトップカンファレンスで複数の論文が採択されるなど、技術の最前線で実績を上げています。</p>
<h3>経営数値にコミットする「社会実装」</h3>
<p>一方で、優れた技術もビジネスの現場で役立たなければ意味がありません。物流・金融・流通・製造・エネルギーなど、多様な業界に精通した事業部と専門チームが協業し、お客様の経営数値に直結する真のDXを支援しています。<br>知財としてこれまで独自に蓄積してきた業界特化型ソリューションと、AIの融合も着実に進んでいます。</p>
<ul>
<li>金融領域：フルオープンAPIを備えた次世代勘定系システム「InfiniBANK」や、戦略業務系システム「FutureBANK」</li>
<li>アパレル領域：業界特化した基幹プラットフォーム「FutureApparel」</li>
<li>メディア領域：新聞出版業界向けCMS「Glyphfeeds」</li>
<li>セキュリティ領域：脆弱性管理サービス「FutureVuls」</li>
</ul>
<p>さらに、AIモデルやアルゴリズムといったソフトウェアだけでなく、自社開発を進める「AIアクセラレータ」などのハードウェア技術も含め、トータルでの最適解を導き出せるのが、私たちの独自の強みです。</p>
<h2>未来価値を最大化する「3つの注力テーマ」</h2>
<p>今回のステートメントにおいて、私たちは「お客様の未来価値最大化」をミッションに、その実現に向けて3つの注力テーマを掲げました。</p>
<p><img alt="未来価値を最大化する「3つの注力テーマ」" src="/lttf/assets/260729_ai-statement_02.jpg" width="700" height="382" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p></p>
<h3>テーマ1：経営×ITにAIを融合した「トータルデザイン」</h3>
<p>経営の現場においてAIは「どう使うか」ではなく「当たり前にある前提」へとシフトしています。戦略策定からシステム実装、日々の保守運用まで一貫して伴走できるフューチャーだからこそ、全社基盤となるAIエージェントやアーキテクチャの構築が可能です。自然言語処理、数理最適化、動画・画像解析、MLOps（機械学習運用）、データ分析といった専門性を結集し、基幹領域を中心にAIの社会実装を拡大していきます。</p>
<h3>テーマ2：AI-Nativeな設計・開発変革による「生産性3倍」への挑戦</h3>
<p>「お客様の変革を支援するなら、まず自分たちが圧倒的な自己変革を遂げなければならない」ーこれが私たちの哲学です。 私たち自身も、プロジェクト運営の核となる設計・開発プロセスそのものにAIを深く統合することで、2027年以降の開発生産性を従来の3倍に向上させるという目標を掲げています。</p>
<p>具体的には、AI設計駆動開発の進化です。独自開発しているコード生成やレビュー、不具合改修を行うAIエージェントに、フューチャーが持つ膨大な過去の設計情報やソースコードを学習させ、設計・開発プロセス自体をAI化していきます。また、品質管理そのものにもAIを適用し、スピードと超高品質を高い次元で両立させていきます。</p>
<p>さらに、これまでのノウハウを科学的に整備した独自ソリューション「Futurefraqta」を活用した「ファクトベースモダナイゼーション」を提供します。従来の「全面刷新」か「ストレートコンバージョン」かの二択ではなく、現行システムというファクトをベースに、AIネイティブな設計・開発基盤への接続を見据えた効率的な基幹刷新プランです。現行システムの構造やコードを解析することで、システム領域を適切に切り分け、その領域ごとに特性やビジネス上の重要度を判断し複数の方式を組み合わせて最適なモダナイゼーションを実行します。</p>
<h3>テーマ3：技術資本・人的資本の投資強化</h3>
<p>フューチャーにとって、社員の知識や経験、そして能力は、持続的な成長をもたらす最大の「資本」です。 AI時代に求められるコンサルタント人材を育成するため、「ビジネス」「マネジメント」「テクノロジー」「エンジニアリング」の4要素において、提供価値をアップデートした独自の研修プログラムを確立しました。</p>
<p>また、先端領域における学会への参加や大学との共同研究に加え、働きながら博士号取得を目指す社員を支援する社会人博士育成支援プログラム（Future PhD Support Program）など高度専門人材への投資を拡大しています。人的資本への投資を惜しまないことこそが、これからの未来を牽引する原動力になると確信しています。</p>
<h2>過去の延長線上ではない「非連続な成長」へ</h2>
<p>今回のステートメント発表は、フューチャーがこれまでの成功体験に安住することなく、自らも「AI-Native」へと再定義する挑戦です。</p>
<p>私たちが目指すのは、過去の延長線上にある成長ではありません。AIとITアーキテクチャをトータルにデザインするプロフェッショナル集団として、自らの殻を破り、非連続な成長を目指します。そして、私たちが進化することで、より多くの、より複雑な社会課題・経営課題に向き合い、お客様の「未来価値の最大化」に貢献していきます。<br>フューチャーアーキテクト、そしてフューチャーグループのこれからの挑戦に、ぜひご期待ください。</p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span></p>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260804_ai-statement/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260804_ai-statement/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">インサイト</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">AI</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">DX</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">インサイト</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">モダナイゼーション</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">経営戦略</category>

<pubDate>Tue, 04 Aug 2026 10:00:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260803_ai-statement_mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>



<item>
<title>現金からみた「金利のある世界」と銀行経営｜Future Financial Innovation Lab</title>
<description><![CDATA[<p>2026年6月の金融政策決定会合で、日本銀行は政策金利である無担保オーバーナイト金利の誘導目標を、それまでの0.75％から1％に引き上げました。もちろん、米国（3％台後半）やユーロ圏（2.25％）、英国（3.75％）など主要先進国の政策金利に比べればなお、かなり低い水準ですが、それでもほぼ30年振りに、日本に「金利のある世界」が復活しつつあります。</p>
<p>このことは、金融環境にさまざまな変化をもたらしています。<br>日本における現金の流通残高は、1990年代に入るまで対名目GDP比率８％前後の水準で比較的安定していました。これは、現金への需要が平時には概ね経済活動の規模を反映するはずであることを考えれば当然ともいえます。しかし、90年代半ばにこの関係は大きく崩れ、現金は1万円札を中心に、経済の規模を外れて急速に増加しました。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>現金対名目GDP比率（％）</strong><br><strong>ー 大きな転機は1995年頃 ー</strong><br><img alt="現金対名目GDP比率 大きな転機は1995年頃" src="/lttf/assets/260722_ffil-interest-rate-world_01.jpg" width="720" height="480" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p>このように現金が急増した時期は、まさに90年代半ば、バブル崩壊のもとで金利が急速に低下し、預金金利が概ねゼロ％台となった時期と符合しています。経済学用語としての「シューレザー・コスト」、すなわち、金利を獲得するために銀行の店舗やATMまで現金を運んでも靴がすり減るコストの方が高いという状況が多く発生したと考えられます。また、銀行にとっても決済性預金の提供は、自動引落し機能の提供などさまざまなコストがかかる一方、イールドカーブがフラット化する下で利鞘も縮小していましたので、採算性や自己資本負担を踏まえ、敢えて積極的に預金獲得に向かわなかったという事情もあったように思います。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>定期預金金利（1年、300万円未満、％）</strong><br><strong>ー 1993年～2007年 ー</strong><br><img alt="定期預金金利" src="/lttf/assets/260722_ffil-interest-rate-world_02.jpg" width="720" height="350" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p><br>しかし、最近ではこの状況に変化がみられています。90年代半ば以降増加を続けてきた現金が、最近では減少に転じています。内訳を見ても、これまでの増加の主因となっていた1万円札の減少が目立っています。千円札は経済活動に伴う取引需要をほぼ反映すると考えられますので、1万円札の減少は、これまで資産保蔵目的で増加していた1万円札が、「金利のある世界」への移行に伴い、利回りを求めて動き出していることを示唆しています。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>券種別流通高（1985年～）</strong><br><img alt="券種別流通高" src="/lttf/assets/260722_ffil-interest-rate-world_03.jpg" width="720" height="440" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p><br>このような環境変化は、銀行経営にとっても大きな意味を持ちます。<br>金利のある世界への移行およびイールドカーブの正常化により、預金が収益を生む環境も復活しつつあります。この中で、預金の量やコストを踏まえたALM管理が重要となります。手をこまねいていては、激化する預金獲得競争で劣後するおそれがある一方、後々の過度なコスト増も避ける必要があります。この中で、「どのようなインセンティブ賦与がどの程度の預金獲得に結び付くのか」といった感応度を分析しながら、臨機応変に預金獲得の戦略を打っていくことが求められます。例えば、預金への時限的なリワードの提供や、地域で関心の高いイベントと結びつけた可変型預金金利の設定、預金量や付帯サービスの利用度などとリンクさせたきめ細かな金利・手数料の設計などが考えられます。<br>また、このような戦略を機動的に展開していく上では、銀行のインフラがこれを容易に実現できる柔軟性を備えているかどうかも重要です。この点も、タンスの中にしまい込まれていた現金を預金化できるかどうかの大きな鍵になると考えられます。</p>
<p><span style="color: rgb(149, 165, 166);">出所： <br><cite><a href="https://www.boj.or.jp/statistics/money/ryutsu/index.htm" style="color: rgb(149, 165, 166);" target="_blank" rel="noopener noreferrer">日本銀行（通貨流通高）</a></cite> <br><cite><a href="https://www.stat-search.boj.or.jp/index.html" style="color: rgb(149, 165, 166);" target="_blank" rel="noopener noreferrer">日本銀行時系列統計データ検索サイト</a></cite> <br><cite><a href="https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html" style="color: rgb(149, 165, 166);" target="_blank" rel="noopener noreferrer">内閣府（国民経済計算 GDP統計）</a></cite> </span></p>
<p></p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span></p>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260727_ffil-interest-rate-world/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260727_ffil-interest-rate-world/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureFinancialInnovationLab</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">山岡浩巳</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>

<pubDate>Mon, 27 Jul 2026 10:00:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260423_lttf_ffil01-mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>



<item>
<title>進化する生成AIとビジネス応用</title>
<description><![CDATA[<h2>AIの進化と到達点</h2>
<p>AIの進化においてブレイクスルーが起きたのは、2012年だと言われています。画像認識精度を競う世界大会であるILSVRCで、深層学習（人間の脳の仕組みを模倣したニューラルネットワークを用いて膨大なデータから自動的にパターンや特徴を学習するAI技術 ） を用いたチームが圧倒的精度で優勝を果たしたのです。さらに、2015年にはMicrosoftが開発した深層学習モデル「ResNet」が画像認識において初めて人間の正確さを超えました。<br>その後、2017年に並列処理と長文の文脈理解を実現するTransformerモデル、2022年にはChatGPTが登場するなど、AIは目覚ましい進化を遂げました。動画や音声といったデータを通じて現実世界を詳細に認識する解釈性も向上しています。さらに人が作ったもの・話したものと区別がつかないような動画や音声を生成するといったことも可能となりつつあります。</p>
<p>また、知識や思考といった領域でも、2025年にはソフトウェア開発に関するベンチマークであるSWE-benchと、博⼠レベルの専⾨知識を問う質問応答のベンチマークであるGPQAのスコアがともに急上昇しました。<br>ソフトウェア開発や博士レベルの専門性までも身につけ、かつては人間にしか担えないと考えられていた領域にまで、AIの能力は達しはじめています。</p>
<p style="text-align: center;"><img alt="SWE-benchとGPQAのスコア　急上昇の原因とは" src="/lttf/assets/260708_lttf_generative-ai-business_01.jpg" width="964" height="460" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"><br><span style="color: rgb(149, 165, 166);">AIの能力を測る指標である、SWE-benchとGPQAのスコアは2025年に急成長<br>AI自身が内省し、深く考え続けることで思考の精度向上が可能に</span></p>
<h2>AIの進化を支える基礎技術と応用技術</h2>
<p>進化の背景には、基礎技術である「思考モデル」の高度化と、応用技術である「AIエージェント」の発展が挙げられます。これまでのAIは人間が手順や方法を示さなければ能力を発揮できませんでしたが、最新の思考モデルは破綻することなく自ら内省し、安定して考え続ける力を備えています。この基礎技術をベースにしたAIエージェントは、ユーザーと対話するだけでなく、様々なシステムと連携しながら自律的に手順を考えて動作し、目的を達成します。こうした基礎と応用の融合が、AIの進化を牽引しているのです。</p>
<p>AIエージェントは、定型的かつ予測可能な環境で業務を遂⾏する「ワークフロー型」から「限定自律型」に進化しています。フューチャーアーキテクトが開発した、金融機関向け戦略業務系システム「FutureBANK」でもこの「限定自律型」のエージェントが組み込まれています。手順を人間が都度チェックし、補完しながら業務を遂行させる業務イメージです。</p>
<p>例えば金融機関の業務で、AIエージェントがどのように人の業務を代替できるかを説明します。<br>銀行員が住宅ローンの審査を行う際、従来は各種証明書や物件に関する書類など、お客様から受領した多数の情報を手作業でシステムに入力していました。しかし、書類には不備が発生しがちなため、都度お客様にお問い合わせするなど手間のかかる業務が発生します。これがAIエージェントを使うと以下のように変わります。</p>
<p><img alt="AIエージェントを利用した業務効率化" src="/lttf/assets/260708_lttf_generative-ai-business_02.jpg" width="964" height="144" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<ol>
<li>書類の自動読み取り：申込書や源泉徴収票をシステムに投入すると、AIが内容を瞬時に読み取り、必要事項を自動で記入。</li>
<li>顧客への自動連絡：不足している情報がある場合、AIが自動で顧客宛てに案内メールを作成。メールの誤字脱字チェックもAI自身が行い、人が承認することで送信。</li>
<li>返信の自動処理と起票：顧客からの返信を受け、その内容から必要情報を抽出してフォームに記入、稟議書を自動で作成。</li>
<li>最終チェック：人が最後に内容を確認して「申請」を行う。</li>
</ol>
<p>AIエージェントはいまのところ「限定自律型」ですが、領域によっては目的を示すだけで手順まで考えて完遂する「完全自律型」の開発が進んでいます。この技術進化がすすむとビジネスにおける人間の役割は、「作業者」からAIが仕事をした結果を承認する「承認者」へと変わっていくと考えられています。</p>
<h2>AIの技術をビジネスの現場に応用する3つの"Ready"</h2>
<p>AIをビジネスに応用し、その力を最大限に活用するには準備が必要です。業務プロセス・業務データ・システム群の3つをAI-Readyな状態にすることです。</p>
<p><strong>●AI-Readyな業務プロセス</strong><br>まず業務プロセスを、人がAIを補助的に呼び出して使うAI-enabledな状態から、AIを深く業務に組み込んだAI-nativeに変⾰していきます。AI-nativeとは、AIをなくしてしまったら業務や事業が成立しないほど、AIが深く業務に組み込まれた状態をいいます。<br>ここではシンプルにお伝えするために"効率化"を例にお話していますが、AI-nativeにより人の介在を極限まで減らすことで、効率化を超えた強力な優位性を生み出すことができると、私たちは考えています。</p>
<p><img alt="AI-Readyな業務プロセス" src="/lttf/assets/260708_lttf_generative-ai-business_03.jpg" width="964" height="455" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p><strong><br>●AI-Readyな業務データ</strong><br>AIが業務に活⽤できない最大の要因はデータ不⾜です。そのため、まずデータを十分に整備していく必要があります。さらに、AIは主に公開データから学習しているため、⾃社業務に特化するためには各社固有のデータが必要です。<br>AIが活用しやすいデータの特徴としては、 AIが意味を理解できるように構造化・説明がされている「解釈性」、常に最新の状態を反映する「リアルタイム性」、AIが機械的にデータにアクセスできる「アクセス可能性」を備えることが重要です。<br>さらに、AIの解釈能力は飛躍的に高まっており、動画や画像、音声やセンサーデータといったこれまで使えなかったデータにも新しい価値を生む可能性があります。既存の枠組みにとらわれず、自社に眠るデータをIT資産として活用する発想力や想像力が、企業の競争力の源泉になっていくと考えます。</p>
<p><strong>●AI-Readyなシステム群</strong><br>システム群においては、AIにより業務を駆動することを前提としたアーキテクチャが必要です。あらゆる機能にAIがアクセス、操作できるフルオープンAPIや、リアルタイムにデータ処理やシステム処理が動作すること、多種多数のAIが24時間駆動できるスケーラビリティ（拡張性と柔軟性）が求められます。</p>
<p>これら3つのReady（業務プロセス・業務データ・システム群）は互いに深く関係するため、バランスよく整備していくことで、技術⾰新の効果を最⼤限に享受できると考えます。フューチャーでは先端技術を研究する専門家と、3つの領域に精通し業務知見と実装力を持つコンサルタントが協働して、AIとITを一体でデザインすることでお客様の課題解決に取り組んでいます。<br>本稿がAI実装に向けた課題を振り返るきっかけになれば幸いです。</p>
<p><img alt="3つのAI-ReadyでAIの技術革新を最大限享受" src="/lttf/assets/260708_lttf_generative-ai-business_04.jpg" width="964" height="335" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span></p>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260713_generative-ai-business/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260713_generative-ai-business/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">AI・テクノロジー</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">AI</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">AI-Ready</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">AIエージェント</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureAIScienceLaboratories</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">LLM</category>

<pubDate>Mon, 13 Jul 2026 10:00:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260708_lttf_generative-ai-business-mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>





<item>
<title>Future Global Designの完遂力。経営・業務・ITを越境しグローバル展開を成功へ導く</title>
<description><![CDATA[<h2>グローバル進出に立ちはだかる「理想」と「現実」の乖離</h2>
<p><strong>浜田</strong>　いま、日本企業が改めて海外市場へと目を向ける理由は、単なる規模の拡大だけではありません。背景には日本市場への危機感があります。為替の影響で円の価値が相対的に下落し、人口減少も進むなかで、企業はポートフォリオを再構築し、グローバルな視点でリスクヘッジを行う必要性が高まっています。<br>私自身、前職でメガバンクの企画業務を推進していた際も、日本国内の事例の横展開には限界を感じていました。当時から、シンガポールの大手金融機関などの先行事例をベンチマークしていたのを覚えています。</p>
<p><strong>木村</strong>　一方で、実際にシンガポールをはじめとした現地に足を運ぶと、「戦略的な理想」と「現場の現実」のギャップに苦しむお客様が非常に多いのを肌で感じます。日本では大企業であっても、海外拠点では組織規模が小さく、潤沢な予算も確保しにくい。限られたリソースの中で日本と同等のDXを求められることが、担当者の「孤独な戦い」に拍車をかけているのが実情です。</p>
<p><strong>中川</strong>　現地のシステム担当者が他業務を兼務していたり、主な業務がIT機器の管理や運用に留まっていたりと、大規模なシステム刷新プロジェクトの経験がないケースも多いですよね。こうした環境では、IT投資の優先順位が判断できず、結果として現地のITベンダーに丸投げせざるを得なくなります。</p>
<p><strong>浜田</strong>　コンサルティング会社に依頼しても、「ここから先はスコープ外です」「ITの詳細はベンダーに聞いてください」と線引きされてしまい、結局プロジェクトが停滞するというのもよく耳にします。例えば大手金融機関のような、すでに海外進出を果たしている企業であっても、現地の商習慣や法規制に合わせた「真に機能するローカライズ」が十分にできていないといった根深い課題もあります。</p>
<p><strong>中川</strong>　日本流のプロジェクトの進め方が通用しないだけでなく、文化や働き方の違いから前提条件がそろわず、認識の齟齬も起きやすいです。こうした現地のリアルを汲み取った上で、経営戦略をITや実務のタスクへ正しく落とし込めるようにするには、経営・業務・ITのすべてを理解し、領域を限定せずに動ける「越境するプロフェッショナル」が求められているのだと感じます。</p>
<h2>経営・業務・ITをスコープレスに支える「現場主義」の実行力</h2>
<p><strong>浜田</strong>　私たちが大切にしているのは、特定のレイヤーに閉じないスコープレスな支援スタイルです。経営層と戦略を練る一方で、開発現場でコードを読み、現場の業務にも深く入り込む。この全方位をカバーする姿勢がフューチャー流であり、FGDの本質です。コンサルタントとして経営戦略に通じている会社は多いですが、私たち自身がエンジニアとして手を動かしてきた経験があるからこそ、現地のベンダーが何に悩み苦しんでいるのかも肌感覚で理解できます。ベンダーと対等に、時には強力にリードしながらプロジェクトを本質的な成功へと導けるのが我々の強みと自負しています。</p>
<p><strong>木村</strong>　ある大手小売企業様のプロジェクトがまさにそうでした。日本人マネジメントが求めるゴールと、現地が直面する実態に大きなギャップがあり、双方のコミュニケーションがかみ合っていませんでした。そこに、より具体的な指示が欲しいベンダーも加わったことで、三者が三すくみの状態になり意思決定が完全に止まっていました。<br>こうした状況下で私たちがPMOとして入り、現場の課題を丁寧にヒアリングしながら「経営判断できる材料」に翻訳して可視化しました。誰かが最後の一人として責任を持ち、領域を問わずに交通整理をすれば、プロジェクトは必ず動き出します。</p>
<p><strong>中川</strong>　グローバル展開するインテリア・ハードウェアメーカー様の事例では、さらに一歩踏み込んで、貿易実務の根幹である受発注の業務プロセスの改革を行いました。海外特有の複雑な書類作成や進捗管理に営業のリソースが奪われ、本来の顧客開拓に注力できていなかったんです。<br>本社からは見えにくい、こうした現地の「実務の目詰まり」を私たちが入り込んで特定し、BPR（業務再設計）から事務処理を自動化するシステム構築までを一貫して行いました。もちろん予算内に収めることにもこだわり、パッケージを有効活用しています。</p>
<p><strong>浜田</strong>　現場とマネジメント層の溝を埋め、グローバルでのシステム刷新を完遂させる。このノウハウはお客様が自前で持つことが難しい領域です。言語の壁を越え、全方位のステークホルダーとぶつかり合いながらプロジェクトを推進するのは、FGDならではの醍醐味ですね。お客様に深く入り込むことで組織の本質的な課題も見えてくるため、単発の案件に留まらない中長期のパートナーシップへと発展していくこともできます。</p>
<p><strong>中川</strong>　先ほどの事例でも、システム導入後の業務改善を高く評価いただき、「他国の支社にも同様の仕組みを展開してほしい」と継続的なご相談をいただきました。徹底した伴走を積み重ねることで、単なる支援者を超えた戦略的パートナーとして認めていただけるのだと感じています。</p>
<p><strong>浜田</strong>　お客様との会話で「この案件に一番詳しいのは誰か？」という話になった際、真っ先に木村さんの名前を挙げていただいたこともありましたよね。お客様の業務を深く知り、目指す姿までを真剣に考えて向き合い、提案してきたからこそ、信頼いただいているのだと実感しました。</p>
<p><strong>木村</strong>　あれはうれしかったですね。一方で、お客様にとって最終的な理想は「我々がいなくても自走できる状態」だとも思います。振り返りなどを通じて体制構築やベンダー選定の「あるべき姿」も積極的に共有することで、我々の知見を移管することも意識しています。</p>
<p><img alt="Future Global Design　取材時の様子" src="/lttf/assets/260601_lttf_fgd-01.jpg" width="964" height="542" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<h2>世界を舞台に、変革のエンジンであり続ける</h2>
<p><strong>浜田</strong>　今後の展望として、シンガポールはあくまで起点の一つに過ぎません。ここからASEAN全域、そして欧州や米州へと、支援の範囲を面で展開していく方針です。</p>
<p><strong>中川</strong>　その展開を支えるのは「人」に他なりません。私も最初から英語が得意だったわけではありませんが、ITと業務の知見を武器に、自分のスキルを全て使ってまい進することで道を拓いてきました。志があれば変革を起こせることを私自身が体現することで、世界中のお客様のプロジェクトを加速させる原動力であり続けたいと願っています。そして、同じように挑戦意欲を持つプロフェッショナルを増やしていきたいです。</p>
<p><strong>木村</strong>　私たちのゴールは単なるシステム導入ではありません。領域を限定せず会社としてのあるべき姿を二人三脚で考え、ともに全身全霊で戦うパートナーであり続けたいと思っています。<br>日本企業にとってグローバル進出は今後も必然の流れです。その最前線で企業の成長を加速させるエンジンになっていきたいです。</p>
<p><strong>浜田</strong>　それはFGDの存在意義でもありますね。これからも「経営・業務・IT」の三位一体を武器に、グローバルという困難なフィールドで自分たち自身も挑戦を続けながら、お客様の挑戦を最後まで支え抜いていきます。</p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span><br><br></p>
<div class="l-entry__related">
<h3 class="l-entry__r-titl">関連情報</h3>
<div class="mod-relatedList">
<ul class="mod-relatedList__list">
<li class="mod-relatedList__item"><a href="https://www.futureglobaldesign.com/" target="_blank" rel="noopener">Future Global Design Pte. Ltd. コーポレートサイト</a></li>
</ul>
</div>
</div>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260615_fgd/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260615_fgd/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">インサイト</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">DX</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureGlobalDesign</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">インサイト</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">内製化支援</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">業務改革</category>

<pubDate>Mon, 15 Jun 2026 10:00:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260601_lttf_fgd-mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>



<item>
<title>デジタル技術革新と次世代の通貨システム（後編）｜Future Financial Innovation Lab</title>
<description><![CDATA[<h2>次世代の通貨システム</h2>
<p>次世代の通貨システムについては、2016年に開催した東京大学と日本銀行の共催コンファレンスにおいて、多くの興味深い考察が示されています（*1）。<br>例えば、暗号資産は信用構築や取引認証に膨大なエネルギー消費を必要とするため、取引に広く使われることは考えにくいという見解が既に示されていました。また、既に信用を確立している中央銀行が、自ら分散型技術に基づくデジタル通貨を発行するメリットは考えにくいという見方も示されました。これらはその後の世界の動きを先取りしていたように思います。</p>
<p><strong>提起された見解</strong></p>
<ul>
<li>情報技術の発達の下、決済手段の将来像として「情報伝達の媒体」や「契約媒体」といった新しい機能を考え得る</li>
<li>既に不換紙幣を問題なく発行できている中央銀行が、分散型デジタル通貨をゼロから発行するメリットはあまり考えにくい</li>
<li>「物々交換における完璧なタイミングの一致」が難しい以上、決済手段へのニーズが全く無くなることは考えにくい</li>
<li>仮想通貨が貨幣を凌駕するほど流通するには膨大なエネルギー消費を必要とするため、投資対象とはなり得ても、ハイパーインフレ国などを除き、取引の主流になることは現実には考えにくい</li>
<li>ブロックチェーン技術を「台帳型（集中型）」に応用する形態も考えられ、国際送金などではこの類型が使われていくことが考えられる<strong><br></strong></li>
</ul>
<p>さらに、デジタル技術革新の下、「情報伝達の媒体」や「契約媒体」といった機能を備える決済手段が登場するとの見解が示されました。さらに、情報技術が発達しても、物々交換における完璧なタイミングの一致が難しい以上、決済手段へのニーズは無くならないだろうとの見解も示されました。これらは大変興味深い論点です。</p>
<p>さらに東京大学の植田教授は、デジタル技術革新は、通貨間の競争を激化させるだろうと指摘しておられます。基軸通貨である米ドル建ステーブルコインが新興国や途上国などで国内通貨に代わり使われる可能性が米国では期待として、一方で他国では脅威として受け止められ、米ドルへの対抗がデジタルユーロ計画の大きな動機となっていることや、中国の国是である人民元国際化など、現在の通貨を巡る状況をみても大変示唆的です。そのうえで植田教授は、各国は自らの通貨の使い勝手の向上に、より真剣に取り組まなければならないだろうと付言しておられます。<br>さらに、通貨システムの運営コストという論点も提起され、全ての取引をRTGS型で決済することが効率的か、それとも集中型のシステムである程度ネッティングをした方が効率的なのか、といった論点を示しておられます。</p>
<p>これからの通貨システムについては、1999年に当時のイングランド銀行総裁マービン＝キングさんも興味深い問題提起をしています（*2）。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>デジタル化と中央銀行の将来？</strong></p>
<blockquote>"the future of central banks is not entirely secure. Their numbers may decline over the next century." <br>"Following the example of the European Central Bank, more regional monetary unions could emerge. Short of this, the creation of currency boards, or even complete currency substitution, might also reduce the number of independent national monetary authorities." <br>"But much more important is the potential impact of technological innovation. "<br>"Is it possible that advances in technology will mean that the arbitrary assumptions necessary to introduce money into rigorous theoretical models will become redundant, and that the world may come to resemble a pure exchange economy?"<br><br>出典：<a href="https://www.bankofengland.co.uk/-/media/boe/files/speech/1999/challenges-for-monetary-policy-new-and-old.pdf" target="_blank" rel="noopener">Mervyn King, "Challenges for Monetary Policy: New and Old" (Aug. 1999)</a></blockquote>
<p></p>
<p>キング総裁は、独自の通貨を発行する中央銀行の数はおそらく20世紀末がピークであり、21世紀には減っていくだろうと予測しています。これは、先ほど申し上げた通貨間競争の激化という観点からも興味深い指摘です。<br>さらにキング総裁は、技術革新によって物々交換に必要な全ての情報処理が可能になれば通貨は不要になるのかという問題提起をしておられます。これは、先ほど紹介したコンファレンスで出された「デジタル技術の発達の下でも通貨は必要とされ続けるのか」という問題意識と重なります。</p>
<p>もっとも、その後の世界の動きは、通貨を不要とする方向には到底進んでいないように映ります。この世界はますます不確実性に満ちており、人々が自らの生涯に関する全ての情報を把握し、全てのコンティンジェンシーを想定した完全な契約を締結し、その履行を完全に確保することは、デジタル技術の発達の下でも引き続き困難であるように思えます。この中で通貨は、人間が協力しながらこの不確実な世界を生き抜くツールとして機能し続けるだろうというのが、現段階での私の印象です。</p>
<hr>
<p>では、次世代の通貨システムは、具体的にどのような姿になっていくのでしょうか。</p>
<p><strong>次世代の通過システム</strong></p>
<ul>
<li><strong>デジタル化と通貨間競争の激化</strong>
<ul>
<li>小規模通貨が生き残るハードルはますます高く<br>⇒マクロ政策の自律性を維持することの価値をますます問われる<br><br></li>
</ul>
</li>
<li><strong>国家より効率的な信用構築メカニズムはなお見出せていない</strong>
<ul>
<li>暗号資産は「マイニング」にかかる電力消費（ビットコイン）など巨大なリソースを費消（それでも価値安定は実現できていない）</li>
<li>ステーブルコインは、裏付け資産を短期国債やリザーブとすることで、信用構築・価値安定に国家・中央銀行の信用を使っている<br>⇒当面は中央銀行が信用の「アンカー」に<br><br></li>
</ul>
</li>
<li><strong>集中型・分散型インフラにはそれぞれ利点・優位性</strong>
<ul>
<li>分散型インフラが既存の集中型インフラを全て代替することは考えにくい<br>⇒複数のインフラの効率的な分業と連携を<strong><br></strong></li>
</ul>
</li>
</ul>
<p>まず、既にご紹介したように、技術革新は通貨間競争を激化させていくでしょう。この中で通貨が生き残るには、通貨への信頼を確保するとともにその使い勝手の向上に努めることが一段と強く求められ、そうでない通貨は競争に敗れていくでしょう。あわせて、マクロ政策の自律性の意義もますます問われるでしょう。</p>
<p>近年の経験は、人間が国家よりも効率的な信用構築メカニズムをなお見出せていないことを示唆しています。例えばステーブルコインは、価値を安定させるために国家や中央銀行の信用を借用しているといえます。したがって当面、中央銀行は信用の「アンカー」としての役割を果たし続けるでしょう。<br>さらに、集中型・分散型インフラにはそれぞれの優位性があり、現在の集中型インフラが全て分散型に置き換えられるとは考えにくいでしょう。したがって次世代の通貨システムは、複数のプラットフォームが有機的に繋がる姿となるでしょうし、この中では、現在も重要な役割を果たしている預金と中央銀行預金のトークン化が、まずは有力な選択肢と考えられます。これは国際決済銀行が唱える「統一台帳」（unified ledger）とも重なります。</p>
<p>次世代の通貨システムでも、中央銀行は信頼のアンカーとして、各決済手段の「単一性」の礎となり続けるでしょう。一方で、技術革新を背景に、プログラマビリティや情報の媒体、契約の執行などさまざまな機能を備えた支払決済手段が登場し、ユーザーはニーズに応じてこれらの手段を使い分けていくという世界が一応展望できます。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>次世代の通貨システム</strong> <br><img alt="次世代の通貨システム" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system03_01.jpg" width="720" height="460" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p>もっとも、このような世界が自然に実現できるということではありません。19世紀の米国の「山猫銀行」の例が示すように、通貨発行益（シニョレッジ）の獲得は、民間が通貨発行に参入する大きな動機となります。しかし、シニョレッジ目当ての手段は結局、通貨としての信頼を確保できずに終わるケースが殆どです。これは、近年多くの暗号資産が発行され、しかも決済手段としてはほぼ使われていないこととも整合的です。</p>
<p>「ネットワーク外部性」を持つ通貨システムのイノベーションを進めていく一つの難しさは、広範な主体の協力を、しかも「通貨発行益」への過度の期待を招かないよう束ねていかなければならない点にあると感じます。<br>このためには金融当局や中央銀行の役割も重要ですが、デジタル通貨フォーラムとしても、民間の力を集め、通貨システムをより良いものとし、人々や社会により大きな貢献を果たすものとなるよう、力を尽くしてまいります。</p>
<p><span style="color: rgb(149, 165, 166);">出所： <br>*1<cite>　<a href="https://www.boj.or.jp/research/conf/data/rel161201a8.pdf" target="_blank" rel="noopener">東京大学金融教育研究センター・日本銀行決済機構局共催コンファレンス「フィンテックと貨幣の将来像」（2016年11月18日）議事概要</a></cite> <br>*2<cite>　<a href="https://www.bankofengland.co.uk/-/media/boe/files/speech/1999/challenges-for-monetary-policy-new-and-old.pdf" target="_blank" rel="noopener"> Mervyn King, "Challenges for Monetary Policy: New and Old" (1999)</a></cite> </span></p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span><br><br></p>
<div class="related-post">
<h3 class="related-post__title">関連情報</h3>
<p class="related-post__sub">Future Financial Innovation Lab（FFIL）</p>
<p>フューチャーは、AIをはじめとする先端技術を活用して金融イノベーションを進めていくための研究組織として、Future Financial Innovation Lab（所長：山岡浩巳）を開設しました。今後、「世界の金融イノベーションの先端動向に関する調査研究」「フューチャーグループの技術を活用する金融イノベーションの調査研究」「フューチャーグループの提供するインフラの応用可能性に関する調査研究」などの活動を行っていくことを展望しています。</p>
<p>プレスリリース　<a href="https://www.future.co.jp/press_room/PDF/PressRelease_Future_Financial_Innovation_Lab_20260423.pdf" target="_blank" rel="noopener">Future Financial Innovation Lab（FFIL）を開設 金融領域における先端技術の活用とイノベーション創出に向けて（2026/4/23）</a></p>
</div>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260608_ffil-monetary-system03/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260608_ffil-monetary-system03/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureFinancialInnovationLab</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">学会発表</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">山岡浩巳</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>

<pubDate>Mon, 08 Jun 2026 10:02:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260520_lttf_ffil02-mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>



<item>
<title>デジタル技術革新と次世代の通貨システム（中編）｜Future Financial Innovation Lab</title>
<description><![CDATA[<h2>通貨を支える法的インフラ</h2>
<p>現在世界中で採用されている二層型通貨システムは、現金通貨および預金通貨の流通性を担保する法的インフラによっても支えられています。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>通貨の流通性を支える法的インフラ <br><img alt="通貨の流通性を支える法的インフラ" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system02_01.jpg" width="964" height="684" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></strong></p>
<p>日本では、債権の移転については民法による債権譲渡の規定がありますが、この場合には対抗要件として「確定日付証書」が必要です。しかし、預金通貨（銀行預金）の移転では、学説および判例により「消滅・発生構成」が確立されています。これにより、人々は銀行送金のたびに確定日付証書を発行することなく、抗弁権が切断された形で安心して銀行送金を受け取れます。<br>また、動的安全を保護する方法としては有価証券の仕組みもあります。このもとでは、有価証券という「紙」の占有によって対抗要件を備えることができますが、現金ではさらに一歩進んで、学説および判例により、現金の占有者はその現金の所有者とみなすとされています。現金を不当に奪われたら、「その現金は私の所有物だ」と主張して取り戻すのではなく、「不当利得返還請求」などの債権的請求を通じて取り戻すことになります。これは、冒頭に申し上げた通貨の高度な「抽象性」を反映しているとも捉えられます。<br>同様に海外でも、現金や預金の移転にかかる動的安全を保護するため、さまざまな工夫が行われています。</p>
<h2>分散型デジタル技術の登場と通貨システム</h2>
<p>歴史上も通貨システムは、鋳造技術や紙技術、電気通信技術などその時々の技術革新を取り込んで発展してきました。</p>
<p>最近では、スマートフォンの普及を背景とするモバイル決済の拡大などがみられています。もっとも、モバイル端末を通じたQRコードやNFCによる決済などは、基本的には現代通貨システムの二層構造の枠内でのUI・UXの改善と捉えられます。</p>
<p>では、ブロックチェーン・分散台帳技術（DLT）といった技術は、通貨システムにどのような影響を及ぼすのでしょうか。<br>これらの技術は、分散型の環境の下でデータ改竄や二重譲渡を防ぐことができ、スマートコントラクトの活用によってDVPを実現できるなど、有望な技術と捉えられています。<br>しかし同時に、そのメリットは相対的なものであり、集中型・分散型それぞれに利点と課題があると捉えられています。この点については、シン総裁などが近年、精力的な研究成果を発表しておられます。<br><br>例えば、ブロックチェーンの鏑矢であるビットコインでは、全ての認証参加者が参加する計算競争によって取引の認証が行われます。しかし、そのためには相当な電力を費消し、時間もかかります。これらは「特定の帳簿管理者に頼らずに信頼を創り出すコスト」とも捉えられますが、これが集中型インフラを使う場合よりも常に低いと言えるかはクエスチョンです。<br>またシン総裁は、取引認証にかかる報酬がコストに見合わなくなると、認証参加者は他のネットワークに出ていくことになり、これによりインフラの分断が起こり、通貨のネットワーク外部性が損なわれるというインセンティブ問題を指摘しています。そのうえでシン総裁は、ブロックチェーン技術によるイノベーションは活用しながら、通貨システムの統一性を確保する制度的枠組みは守っていくことが大事だと述べておられます（*1）。</p>
<h2>デジタル通貨の登場</h2>
<p>分散型技術を応用するデジタル通貨として注目を集めているのが、中央銀行デジタル通貨（CBDC）、ステーブルコイン、そしてトークン化預金です。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>（参考）デジタル通貨の分類</strong> <br><img alt="デジタル通貨の分類" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system02_02.jpg" width="716" height="478" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p>CBDCはさらに、個人や企業が日常取引に使うことを想定したリテールCBDCと、銀行などが大口決済に使うことを想定したホールセールCBDCに分類されます。後者は、既に中央銀行が提供している即時グロス決済（RTGS）システムをトークン化対応したものと捉えられ、通貨システムの構造を大きく変えるものではないと考えられます。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>既存の通貨とデジタル通貨との関係</strong> <br><img alt="既存の通貨とデジタル通貨との関係" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system02_03.jpg" width="708" height="326" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p>では、これらのデジタル通貨は、通貨システムにどのような影響を及ぼすのでしょうか。<br><br>先ほど申し上げた「バランス」の視点から見ますと、例えば、国家の枠組みに頼らないとする暗号資産は、必然的に国家と市場、集中と分散というバランスを大きく動かします。このことは、暗号資産の価値のボラティリティの大きさや、取引認証にかかる巨大な電力消費とも裏腹です。結局、暗号資産は決済手段としては殆ど使われず、専ら投機的な投資の対象となっています。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>デジタル化は通貨システムのバランスに影響</strong> <br><img alt="デジタル化は通貨システムのバランスに影響" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system02_04.jpg" width="708" height="425" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p>一方、リテールCBDCについては、銀行預金を侵食し、現在の二層構造を「一層」にしてしまうリスクが指摘されています。これにより、市場メカニズムを通じた資源配分やイノベーションに影響が及ぶのではないか、また、人々の日常取引の情報までパブリックセクターが集めることにならないかなどの問題が指摘されています。もちろん、二層構造を壊さないよう規模を抑えて発行しようという議論もありますが、そうなると今度は、あまり使われないことを前提とするインフラをどこまでコストをかけて供給すべきかという問題が生じます。<br>リテールCBDCは2020年から21年にかけて、カリブ海の島嶼国など４つの中央銀行が発行しましたが、その後発行の動きは続いておらず、先進国の中央銀行の中には検討を後退させる先もみられます。また、「デジタル人民元」（e-CNY）の実験を続けていた中国は、本年1月よりこれを銀行預金スキームに変更しています。さらに、米国は昨年1月の大統領令により、米国内における米ドル建てCBDCの発行・流通および検討を禁止しました。この間、ユーロエリアではデジタルユーロの検討が続けられています。</p>
<p>この間、米ドル建てのステーブルコインは増加しています。主な用途は暗号資産投資の待機資産ですが、ステーブルコインを巡っては、国際決済銀行や欧州中央銀行など多くの機関が問題や課題を指摘しています。これらは、先ほど申し上げたナローバンクの問題と多くの面でオーバーラップしています。<br>まず、ベースマネーとの即時、等価での交換が確約されていないため、「ディペッグ」（法定通貨との価値の乖離）のリスクが残ります。とりわけ、発行者が発行益を得るために裏付け資産を減らしたり、長期資産やリスク資産のウェイトを増やせば、このようなリスクも大きくなります。また、発行者ごとに裏付け資産が異なる以上個別性が残り、交換可能（fungible）とはいえないため、通貨の「単一性」の要件を満たさないと評価されています。<br>また、裏付け資産を国債や中銀預金で保有するステーブルコインは信用創造機能を持たず、その供給は予め積まれる裏付け資産に制約されるため、弾力的な供給が難しいことも指摘されています。<br>さらに、持参人払式証券（bearer instrument）類似の形でパーミッションレス型のブロックチェーン上で発行されるステーブルコインについて、犯罪や不正行為への利用を有効に防げるのかという課題も指摘されています。</p>
<p>個々の決済手段にはそれぞれ特徴があり、「最強の通貨」を選ぶことは容易ではありません。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>通貨・支払決済手段の特性 ー 長所と短所は裏腹 ー</strong> <br><img alt="通貨・支払決済手段の特性" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system02_05.jpg" width="720" height="348" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p>例えば、現金は高度な流通性と匿名性を備えていますが、落としたり盗まれたら最も危ないので旅行に多額は持っていけません。通貨や決済手段にとって「価値の安定」は絶対的な要件ですが、動的安全や匿名性の程度は区々であり、これらが長所か短所かは状況次第です。</p>
<p>そのうえで、トークン化預金は、現在の通貨システムおよびその「二層構造」の長所を活かしながら、分散型技術を取り入れていこうというものです。現在、国際的な大銀行や先進国の銀行グループによる取り組みが行われており、「デジタル通貨フォーラム」もこの方向での取り組みを進めています。</p>
<p><span style="color: rgb(149, 165, 166);">出所： <br>*1<cite>　<a href="https://www.bis.org/publ/work1335.htm" target="_blank" rel="noopener">Hyun Song Shin, "Tokenomics and blockchain fragmentation" (2026)</a></cite> </span></p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span><br><br></p>
<div class="related-post">
<h3 class="related-post__title">関連情報</h3>
<p class="related-post__sub">Future Financial Innovation Lab（FFIL）</p>
<p>フューチャーは、AIをはじめとする先端技術を活用して金融イノベーションを進めていくための研究組織として、Future Financial Innovation Lab（所長：山岡浩巳）を開設しました。今後、「世界の金融イノベーションの先端動向に関する調査研究」「フューチャーグループの技術を活用する金融イノベーションの調査研究」「フューチャーグループの提供するインフラの応用可能性に関する調査研究」などの活動を行っていくことを展望しています。</p>
<p>プレスリリース　<a href="https://www.future.co.jp/press_room/PDF/PressRelease_Future_Financial_Innovation_Lab_20260423.pdf" target="_blank" rel="noopener">Future Financial Innovation Lab（FFIL）を開設 金融領域における先端技術の活用とイノベーション創出に向けて（2026/4/23）</a></p>
</div>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260608_ffil-monetary-system02/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260608_ffil-monetary-system02/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureFinancialInnovationLab</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">学会発表</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">山岡浩巳</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>

<pubDate>Mon, 08 Jun 2026 10:01:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260520_lttf_ffil02-mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>



<item>
<title>デジタル技術革新と次世代の通貨システム（前編）｜Future Financial Innovation Lab</title>
<description><![CDATA[<h2>はじめに</h2>
<p>デジタル化と通貨の問題に入る前に、まず、通貨の歴史に遡って、人間にとって通貨とは何かという問題を取り上げたいと思います。<br>デジタル化と言うと、技術的なバズワードが喧伝されがちですが、まずは人間や社会にとっての通貨の意義を考えた上で、新しい技術によってこれをより有益なものとするにはどうすべきかを検討する必要があると考えます。これは「デジタル通貨フォーラム」の基本的な考え方でもあります。</p>
<h2>通貨の意義 ―「抽象化」を通じた情報処理の飛躍的効率化 ―</h2>
<p>人間の偉大な発明を挙げよと問われれば、「火」や「車輪」もあるでしょうが、「文字」、「言語」、そして「通貨」はまず選ばれるでしょう。20世紀の人類学や考古学は、これらの起源の解明を大きく進めました。</p>
<p>ブロックチェーンを通じて創り出されるデジタルアセットは「デジタルトークン」と呼ばれますが、「トークン」の起源に関し大きな業績を挙げられたのが、フランス出身の考古学者デニス・シュマントベッセラ教授です。すなわち、古代メソポタミアにおいて、穀物や家畜などの数を記録し貸借を把握するため、これらを抽象化した粘土玉の「トークン」が作られ、これが文字の起源となったというものです（*1）。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>人類と通貨システム ー「通貨」は「言語」等とともに人類最大の発明の一つ ー<br><img alt="人類と通貨システム" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system01_01.jpg" class="mt-image-none"><br></strong><strong><br></strong></p>
<p style="text-align: left;"><strong>人間の抽象化能力</strong></p>
<ul>
<li>抽象的な数値への変換を通じて四則演算・定量的比較が可能に</li>
<li>情報処理を飛躍的に効率化、「ネットワーク効果」を通じて拡大</li>
<li>不特定多数との空間・時間を超えた交換を可能とし、経済社会を実現<hr></li>
</ul>
<p>文字、言語、そして貨幣には大きな共通点があります。いずれも人間の「抽象化」という能力によって創り出され、コミュニケーションや交換に伴う情報処理の効率を、飛躍的に高めました。<br>通貨によって、人間はさまざまな財やサービスを数値化し、定量的な比較や四則演算を可能としました。また通貨は「他の人々が多く使うほど、自らが使うことの効用も高まる」という「ネットワーク外部性」を強く持ちます。これに後押しされ、通貨の利用は共同体に広がりました。<br>通貨は、人間が見ず知らずの他者との間で交換をしたり、財をいったん通貨に換え、これを後で別の財と交換するといった「空間や時間を超えた交換」を可能にしました。このような通貨の機能に支えられ、人間は「経済社会」を構築することになりました。<br><br>韓国銀行のシン総裁は「共通の言語がコミュニケーションを容易にするように、共通の通貨は交換を容易にする」と述べておられます（*2）。また雨宮健教授は、古代アテネでも古代中国でも、商工業は貨幣経済とともに急速に発展したと指摘しておられます（*3）。</p>
<h2>通貨の機能と要件</h2>
<p>通貨の機能としては「価値尺度」、「価値保蔵」、「交換」という３つが挙げられてきました。これらの機能を果たしていく上で通貨が満たすべき要件についても見解は収斂してきており、国際決済銀行は、「単一性」、「供給の弾力性」、「健全性」という３つを挙げています（*4）。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>経済社会の基盤としての通貨</strong></p>
<p><strong><img alt="経済社会の基盤としての通貨" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system01_02.jpg" width="424" height="281" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></strong></p>
<p><strong>BISの掲げる3要件</strong></p>
<ul>
<li><strong>Singleness（単一性）：</strong><br>法定通貨といつでも即座に等価で交換でき、個別性を持たない。</li>
<li><strong>Elasticity（＜供給の＞弾力性）：</strong><br>経済のニーズに 応じて必要な量を弾力的に供給できる。</li>
<li><strong>Integrity（健全性）：</strong><br>犯罪や不正行為に使われやすいものであってはならない。</li>
</ul>
<p>これらの機能や要件の根底にあるのは、通貨を通じた情報処理の圧倒的な効率化です。経済社会を構成する多数の人々の間で交換を行っていくには、大量かつ複雑な情報処理が必要となります。通貨は、このような情報処理を、個々の主体の情報処理負担を軽減しながら見事に実現してきました。各人は、自らが受け渡しする通貨の真贋を確かめればよく、経済全体の通貨の真贋まで把握する必要はありません。今では誰もが当たり前のことと捉えている「価格」や「物価」、「金融」、「投資」などの概念も、全て通貨があるからこそ成り立っています。<br>この「情報処理のコスト」という論点は、デジタル時代の通貨システムのあり方を考える上でもきわめて重要であり、また後ほど取り上げます。</p>
<h2>通貨と経済社会 ― 価値の安定と十分な供給 ―</h2>
<p>通貨による取引と物々交換との違いについて、英国の考古学者キャロライン＝ハンフリー教授は、物々交換は一度限りだが通貨による取引は連続的だと述べています（*5）。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>物々交換と通貨による取引<br></strong><img alt="物々交換と通貨による取引" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system01_04.jpg" width="964" height="463" class="mt-image-none"><br><span style="color: rgb(149, 165, 166);">出所：<a href="https://www.jstor.org/stable/2802221" target="_blank" rel="noopener">from Caroline Humphrey, "Barter and Economic Disintegration" (Mar. 1985)</a></span><strong><br><br></strong></p>
<p>通貨はそれ自体使用価値を持たないため、その価値を実現するには、後で別の財やサービスと交換する他はありません。だからこそ通貨の価値保蔵機能は重要であり、価値の安定が必須の要件となります。</p>
<p>人間の動物としての特色として、他者に恩恵を与える「利他行動」、そして、他者から受けた恩恵を返そうとする性質が挙げられます。この中で通貨は、人間が相互に及ぼし合う恩恵を記録するインフラとして機能し、経済社会を支えてきました。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>人間による恩恵の交換と経済社会の構築 ー 相互の恩恵を記録するインフラとしての通貨 ー</strong></p>
<p><strong><img alt="人間による恩恵の交換と経済社会の構築" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system01_05.jpg" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></strong></p>
<p><br>このような機能を通貨が果たす上で重要なのは、恩恵を記録するインフラとしての信頼です。一方で、そのために通貨が必ずしも有体物である必然性はないと考えられます。<br>例えば、有名なヤップ島の石貨については、運搬途中に海底に沈んだとされ誰も見たことのない石貨も、島民はその話を信じ、貨幣としてやり取りされたとの研究があります。<br>また、通貨がこのような機能を果たしていくためには、価値の安定は勿論ですが、共同体のニーズを満たせるだけの十分な供給も必要です。ハンフリー教授は、通貨は供給が過少であれば価値のインデックスとしての機能を失うと述べています（*6）。またシン総裁は、手形は当初から信用機能を伴う支払決済手段であり、通貨の弾力的供給を支えていたことを指摘しています（*7）。</p>
<h2>現代通貨システムの二層構造</h2>
<p>通常の財は、多く供給しようとすれば価値が下がってしまいます。十分な供給と価値の安定を両立させる仕組みこそが、通貨システムの中核といえます。<br>そのために考えられる方法の一つが、政府によるコントロールです。雨宮教授は、古代アテネにおいて、既に銀貨の価値は銀の量ではなく政府の規制を後ろ盾にしていたことを紹介しておられます（*8）。<br><br>もっともこの方法は、政府自身の発行益獲得のインセンティブがインフレを招くリスクを伴うことは、歴史が示す通りです。<br>そして近代以降は、中央銀行と商業銀行からなる二層型の通貨システムが、その役割を担ってきました。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>現代通貨システムの二層構造 ー 「価値の安定」と「十分な供給」を両立させる工夫 ー</strong></p>
<p><strong><img alt="現代通貨システムの二層構造" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system01_06.jpg" width="935" height="349" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></strong></p>
<p><strong></strong></p>
<ul>
<li><strong>通貨価値の安定と通貨の単一性（Singleness） <br>⇒　預金通貨とベースマネーとの即時・等価での交換を担保 </strong></li>
<li><strong>銀行の信用創造を通じた通貨の柔軟・弾力的な供給<br>⇒　経済社会への潤沢な通貨の供給、市場メカニズムを通じた資源配分</strong></li>
<li><strong>イノベーション促進、KYC、AML/CFTによる不正利用防止<br></strong></li>
</ul>
<hr>
<p>このシステムの下、商業銀行は自らの主体的な信用創造を通じて、預金通貨を弾力的に供給します。この預金通貨は即座に、等価で中央銀行通貨（ベースマネー）と交換でき、これにより通貨の「単一性」が確保されます。<br>このようなシステムは、国家と市場、そして集中と分散という絶妙のバランスの上に成り立っています。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>通貨システムを支える「バランス」 ー 国家と市場、集中と分散 ー </strong></p>
<p><strong><img alt="通貨システムを支える「バランス」" src="/lttf/assets/290529_ffil-monetary-system01_07.jpg" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></strong></p>
<p>国家は、法制、税制、金融規制、中央銀行制度、さらには預金保険などの制度的インフラにより、通貨の価値安定と単一性を支えています。このもとで民間銀行は市場メカニズムを通じた効率的な資源配分を実現していきます。</p>
<h2>ナローバンキング論</h2>
<p>一方で、このシステムは中央銀行による「最後の貸し手」機能（LLR）や預金保険に由来するモラルハザードの問題を伴います。そこで、これらに頼らずに通貨システムの安定を確保できないかという問題意識もありました。その例が、20世紀後半に提唱された「ナローバンキング」です。<br><br>もっとも、これは現実の処方箋とはなりませんでした。その理由としては、以下が考えられます。<br>まず、信用創造機能を持たないナローバンキングでは、預金通貨の供給が資産側の安全流動資産の量に予め制約されてしまうため、弾力的な供給が困難であることが挙げられます。<br><br>次に、ナローバンクは安全性・流動性が高く、その分リターンは低い資産だけを持つため、自律的にオペレーションのコストを賄い収益性を確保することが難しいことも指摘されています。<br>また、異なるナローバンクが発行する負債は、裏付け資産の差による個別性を持ってしまい、「単一性」を厳密には満たせなくなることも挙げられます。<br>さらに、ナローバンキングの趣旨は、中央銀行のLLRに頼らないことにあるわけですが、そうなると、急激な償還（ベースマネーとの交換）の要求に対し国債などの資産を売らなければならないことなり、これに伴う市場の不安定化リスクも指摘されています。</p>
<p></p>
<p><span style="color: rgb(149, 165, 166);">出所： <br>*1<cite>　<a href="https://sites.utexas.edu/dsb/tokens/the-invention-of-tokens/" target="_blank" rel="noopener">Denise Shmandt-Besserat, "The invention of Tokens" (2019)</a></cite> <br>*2<cite>　<a href="https://www.bis.org/publ/work1335.htm" target="_blank" rel="noopener"> Hyun Song Shin, "Tokenomics and blockchain fragmentation" (2026)</a></cite> <br>*3*8<cite>　<a href="https://www.imes.boj.or.jp/research/abstracts/japanese/kk31-2-1.html" target="_blank" rel="noopener">雨宮健「古代ギリシャと古代中国の貨幣経済と経済思想」日本銀行金融研究所「金融研究 第31巻第2号 (2012年4月発行)」（2012） </a> <br>*4<cite>　<a href="https://www.bis.org/publ/arpdf/ar2025e3.pdf" target="_blank" rel="noopener">Bank for International Settlements, "The next-generation monetary and financial system" (2025) </a></cite> <br>*5*6<cite>　<a href="https://www.jstor.org/stable/2802221" target="_blank" rel="noopener">Caroline Humphrey, "Barter and Economic Disintegration" (1985)</a></cite> <br>*7<cite>　<a href="https://www.bis.org/speeches/sp260127.htm" target="_blank" rel="noopener">Hyun Song Shin, "Money as a coordination device: some historical lessons" (2026)</a></cite> </cite></span></p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span><br><br></p>
<div class="related-post">
<h3 class="related-post__title">関連情報</h3>
<p class="related-post__sub">Future Financial Innovation Lab（FFIL）</p>
<p>フューチャーは、AIをはじめとする先端技術を活用して金融イノベーションを進めていくための研究組織として、Future Financial Innovation Lab（所長：山岡浩巳）を開設しました。今後、「世界の金融イノベーションの先端動向に関する調査研究」「フューチャーグループの技術を活用する金融イノベーションの調査研究」「フューチャーグループの提供するインフラの応用可能性に関する調査研究」などの活動を行っていくことを展望しています。</p>
<p>プレスリリース　<a href="https://www.future.co.jp/press_room/PDF/PressRelease_Future_Financial_Innovation_Lab_20260423.pdf" target="_blank" rel="noopener">Future Financial Innovation Lab（FFIL）を開設 金融領域における先端技術の活用とイノベーション創出に向けて（2026/4/23）</a></p>
</div>
<p></p>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260608_ffil-monetary-system01/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260608_ffil-monetary-system01/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureFinancialInnovationLab</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">学会発表</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">山岡浩巳</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>

<pubDate>Mon, 08 Jun 2026 10:00:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260520_lttf_ffil02-mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>



<item>
<title>地域通貨を成功させるには｜Future Financial Innovation Lab</title>
<description><![CDATA[<h2>地域通貨が直面してきた課題と「ネットワーク外部性」</h2>
<p>特定の地域内での利用を促すことで地域経済の発展を図る「地域通貨」の発想や発行は以前からありました。有名なものとしては、ドイツ・バイエルン州の一部地域で用いられている「キームガウアー」（Chimegauer）などが挙げられます。<br>もっとも、このような地域通貨は総じて小規模のものにとどまってきました。その理由は、通貨の持つ「ネットワーク外部性」（Network Externality）および紙や金属を媒体とする場合の物理的制約にあります。</p>
<p>通貨や支払手段（クレジットカード、電子マネーなど）は「使える先が多いほど、それを持つことのメリットが大きくなる」、「持っている人が多いほど、これを支払手段として受け入れるメリットが多くなる」といった、強いネットワーク外部性を持っています。国全体で使われる「ソブリン通貨」（ドル、ユーロ、円など）に比べ、利用範囲を限定するタイプの地域通貨は、その分ソブリン通貨に比べてネットワーク外部性は劣後します。したがって、これらが全く同じ価値なら、やはり国中で使えるソブリン通貨を持った方が良いとなりがちです。<br>したがって、地域通貨を流通させるためには、「一定の地域内で利用する場合には100円で入手した地域通貨が103円分に使える」といった何らかの「プレミアム」を柔軟に提供していくことが必要となります。では、そのプレミアムの原資をどう捻出すればよいかが課題となるわけです。</p>
<h2>デジタル技術による課題解決とデータ・行政連携の展望</h2>
<p>しかし、デジタル技術の発達は、この問題をさまざまな方面から解決できる可能性をもたらしています。<br>まず考えられるのは、データの活用です。地域通貨プラットフォームの提供を通じて、地域の住民がいつ、どこで、どのような財やサービスをいくら購入しているのか、といったデータを収集できる可能性が生まれています。そうなると、このデータを対価を払ってでも入手し活用したいというニーズが出てくるかもしれません。<br>また、地域行政と連携できる可能性もあります。例えば、①行政が補助金の給付などにデジタル化された地域通貨を使うことによる事務コストの削減、②ブロックチェーン・分散台帳技術に基づく「スマートコントラクト」を活用し、使途や利用期間を制限したデジタル地域通貨での給付を行うことによる政策効果の向上（例：「○月〇日まで子育て目的にのみ使えるプレミアム」の賦与）、などが考えられます。これらを通じて、行政と一体となって地域通貨を推進させられる展望も拓けています。<br>さらに、地域通貨プラットフォームを通じて地域におけるさまざまな活動を繋げられる可能性もあります。例えば、地域でのボランティア活動やゴミの削減、省エネの推進などの活動に対し、スポンサーを得て地域通貨でのリワードを賦与することなどです。</p>
<p>また、前述の「キームガウアー」など、既に発行されているいくつかの地域通貨は「ゲゼル貨幣」の考え方を取り入れています。ゲゼル貨幣とは、ドイツの思想家シルビオ＝ゲゼル（1862-1930）の提唱したもので、貨幣の価値を時間とともに減価させることで退蔵を防ぎ、早期の支出を促すとの考え方です。しかし、これを紙の世界で実現することはなかなか大変です（ゲゼルは「一定の期間ごとに紙幣に有料のスタンプを貼るよう求める」という、かなり面倒な方法を提唱しています）。<br>この点、デジタル技術を用いることで、例えば、一定の地域内での利用に使える「プレミアム」をデジタルベースで発行し、そのプレミアムが時間とともに減価していく、といった設計の実現も可能となります。</p>
<p>しかしながら、デジタル化の進展とともに関心が高まった地域通貨ですが、その後の動きをみると、十分に広まらず活動を停止したものも相当数みられています（下図）。地域通貨を成功させるためには、単に紙や金属の通貨をデジタル化すれば良いということではなさそうです。では、何が必要となるのでしょうか。</p>
<p><img alt="日本の地域通貨稼働数の推移" src="/lttf/assets/260515_ffil-local-currency.jpg" width="964" height="655" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<h2>サステナブルな地域通貨の実現に向けた金融機関の役割</h2>
<p>まず、地域通貨を流通させ続けるには、通貨として必要な信認を確保し続けていくことが重要となります。地域通貨といっても、一地域内で国の通貨と全く違う通貨単位を使い続けることは、信認構築にかかるコストを考えれば現実的ではありません。結局、地域通貨をサステナブルなものとするには、既に確立されているソブリン通貨や通貨システムへの信認を活用しながら、地域振興などにとって有益なインセンティブを柔軟に設計し提供していく必要があります。</p>
<p>このような地域通貨を実現する上で最も有望な方法としては、地域で既に信認を得ている金融機関の預金を「デジタル地域通貨」のプラットフォームとして機能させることが考えられます。例えば、アプリで預金の移転による支払決済をサポートするとともに、地域内での利用や地域の特産品の購入に対しアプリ上でプレミアムを賦与することで、地域経済の発展を後押しすることなどが考えられます。地域金融機関にとっても、地域における消費活動などに関する情報を失うことなく、自ら集積できるというメリットがあります。このアプリに、地域で生活していく上で有益な機能、例えば行政や交通、防災などに関する機能や情報を併せて搭載することで「スーパーアプリ」化すれば、地域通貨を地域のつながりを強める方向にも活用しやすくなると考えられます。</p>
<p>また、前述の通り、地域通貨がソブリン通貨に対して魅力的であり続けるためには、その時々の経済情勢や社会課題、地域のトピックなどに応じたさまざまな「プレミアム」や「インセンティブ」を臨機応変に提供できることが必要です。このような柔軟性は、例えば自治体と協力して政策効果を高める取り組みを進める上でも必須です。<br>そのためには、預金の商品性を自由に設計し速やかに変更もできるインフラが求められ、結局はシステムの柔軟性や弾力性がきわめて重要になります。さらに、地域通貨プラットフォームが非金融も含めたさまざまなサービスと連携していく上では、APIのオープン度も鍵となるでしょう。</p>
<p><span style="color: rgb(149, 165, 166);"><cite>出所： <br><cite><a href="https://www.yu-cho-f.jp/research/pub_personalfinance/2021winter.html" style="color: rgb(149, 165, 166);">専修大学 経済学部教授　泉 留維「日本における地域通貨の現状と課題 －近年の新潮流を踏まえて」,一般財団法人ゆうちょ財団「季刊 個人金融 2021年冬号」,2021年2月 </a></cite> </cite></span></p>
<p></p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span><br><br></p>
<div class="related-post">
<h3 class="related-post__title">関連情報</h3>
<p class="related-post__sub">Future Financial Innovation Lab（FFIL）</p>
<p>フューチャーは、AIをはじめとする先端技術を活用して金融イノベーションを進めていくための研究組織として、Future Financial Innovation Lab（所長：山岡浩巳）を開設しました。今後、「世界の金融イノベーションの先端動向に関する調査研究」「フューチャーグループの技術を活用する金融イノベーションの調査研究」「フューチャーグループの提供するインフラの応用可能性に関する調査研究」などの活動を行っていくことを展望しています。</p>
<p>プレスリリース　<a href="https://www.future.co.jp/press_room/PDF/PressRelease_Future_Financial_Innovation_Lab_20260423.pdf" target="_blank" rel="noopener">Future Financial Innovation Lab（FFIL）を開設 金融領域における先端技術の活用とイノベーション創出に向けて（2026/4/23）</a></p>
</div>
<p></p>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260519_ffil-local-currency/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260519_ffil-local-currency/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">AI</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureFinancialInnovationLab</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">InfiniBANK</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">山岡浩巳</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>

<pubDate>Tue, 19 May 2026 10:00:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260423_lttf_ffil01-mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>



<item>
<title>AI時代の金融データの価値｜Future Financial Innovation Lab</title>
<description><![CDATA[<p>近年、生成AIの広がりに伴い、これによる代替が連想された業種が資本市場で厳しい評価を受ける一方、銀行はむしろ再評価される傾向にあります。<br>もともと銀行は、「データを集積し活用する」というビジネスモデルを中世イタリアで確立し、この強力なモデルにより、近代以降は世界中で中核的産業となりました。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>企業・銀行の成立年　― 銀行は歴史の古い産業 ―</strong></p>
<p><img alt="企業・銀行の成立年" src="/lttf/assets/2604_ffil-ai-data-value01.jpg" width="830" height="423" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p>現金は「〇円」といった価値の情報しか持ちませんが、これを「預金」として口座化することで、「誰から誰にいつ、いくら支払われたか」といった貴重なデータを創り出せます。</p>
<p>　</p>
<p style="text-align: center;"><strong>預金とデータの創造</strong></p>
<p><img alt="預金とデータの創造" src="/lttf/assets/2604_ffil-ai-data-value02.jpg" width="610" height="522" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p>　</p>
<p>銀行はこのデータを与信リスク管理などにも活用でき、ここに強力な「範囲の経済」（economies of scope）が生まれます。</p>
<p></p>
<p style="text-align: center;"><strong>銀行によるデータの収集と活用のメカニズム</strong></p>
<p><img alt="銀行によるデータの収集と活用のメカニズム" src="/lttf/assets/2604_ffil-ai-data-value03.jpg" width="960" height="316" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p></p>
<p>通常であれば、人々は自分のデータを進んで他者には提供しません。しかし銀行は、顧客側が進んでデータを提供する珍しい産業です。与信を受けたい、あるいは借入金利を下げて欲しい借り手は、自らのデータを銀行側に提供することでこれらを実現しようとします。また、人々は窃盗や紛失リスクから自らの財産を守るため、お金を金庫に保管する代わりに銀行に預金します。このような仕組みを通じて、近代以降、銀行は経済における巨大なデータの集積地として機能し続けてきました。もちろんそのためには、銀行が顧客のデータをしっかりと守ってくれるという「信頼」が前提となります。</p>
<p>AIはデータの処理に大きな力を発揮しますが、AIを活かすには質の高いデータが必要です。現在、このようなデータを創り出そうと多くの産業が競争していますし、デジタル技術によってこれが新たに可能になった部分もあります。例えば、紙の切符が交通系ICカードに代替されることで、「誰がいつ、どこからどこまで移動したか」というデータが新たに創られます。同様に、デジタル化の下で、eコマースや検索エンジンなどさまざまな新しい産業が、消費者の購買履歴や検索履歴など巨大なデータを創り出すようになっています。<br>しかし、その中でも銀行や金融業が集積するデータは、個人や企業がライフプランの設計やビジネスの拡大を真摯に考えた結果として創り出される、きわめて質の高いデータです。このようなデータをもともと蓄積している銀行や金融機関の価値が、生成AIの発展に伴い再評価されることは当然といえます。</p>
<p>この中で、データの活用という観点から、これからの金融インフラにとって重要な要素として、以下が挙げられます。</p>
<p>まず、デジタル化やAIの活用が進む中、銀行の実店舗における顧客とのリアルな接点から得られるデータの貴重さがむしろ再評価されています。フィジカルな分野は、AIが人間に及ばない分野の一つです。海外でも完全にバーチャル化された「チャレンジャーバンク」がドミナントな地位を占める事例は少なく、むしろ、デジタルインフラとフィジカルインフラ、そして両者から得られるさまざまなデータの有効な組み合わせが追求されています。<br>この中で、次世代のインフラには、顧客が①来店する場合、②スマホなどのデジタル媒体経由でアクセスする場合、などさまざまな経路を通じて得られるデータを、全て一体的に取り扱えることが求められます。</p>
<p>また、銀行がこのようなデータの集積地であり続けるには、顧客が銀行に対し、「自らのデータをしっかりと守り、最善の活用をしてくれる主体」であると信頼し続けることが前提となります。<br>現在、データ活用にとって有益なツールが次々と登場しており、しかも、これらのツールを銀行が全て持っているとは限りません。この観点からも、銀行が必要に応じて外部のリソースを柔軟に活用し、安全な環境のもとで顧客のために最善な活用ができるインフラが求められます。前回の取り上げたように、国際決済銀行（BIS）などが次世代の金融インフラに関し「オープンなAPI」の重要性を強調しているのは、この観点からも頷けます。</p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span></p>
<p></p>
<div class="related-post">
<h3 class="related-post__title">関連情報</h3>
<p class="related-post__sub">Future Financial Innovation Lab（FFIL）</p>
<p>フューチャーは、AIをはじめとする先端技術を活用して金融イノベーションを進めていくための研究組織として、Future Financial Innovation Lab（所長：山岡浩巳）を開設しました。今後、「世界の金融イノベーションの先端動向に関する調査研究」「フューチャーグループの技術を活用する金融イノベーションの調査研究」「フューチャーグループの提供するインフラの応用可能性に関する調査研究」などの活動を行っていくことを展望しています。</p>
<p>プレスリリース　<a href="https://www.future.co.jp/press_room/PDF/PressRelease_Future_Financial_Innovation_Lab_20260423.pdf" target="_blank" rel="noopener">Future Financial Innovation Lab（FFIL）を開設 金融領域における先端技術の活用とイノベーション創出に向けて（2026/4/23）</a></p>
</div>
<p></p>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260511_ffil-ai-data-value/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260511_ffil-ai-data-value/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">AI</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureFinancialInnovationLab</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">InfiniBANK</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">山岡浩巳</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>

<pubDate>Mon, 11 May 2026 10:00:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260423_lttf_ffil01-mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>



<item>
<title>AI時代のバンキング｜Future Financial Innovation Lab</title>
<description><![CDATA[<p>金融や銀行サービスはもともと高度な情報処理の束ですので、AIなど新しい情報技術の応用が大いに期待されている分野です。実際、「生成AI」や「トークナイゼーション」（分散台帳技術による資産や資金のデジタルトークン化）の発展とともに、"AI-powered Bank"、"AI-enabled Bank"、"On-chain Finance"などの言葉が飛び交っています。しかし、そうした流行語は別として、金融や銀行サービスは、具体的にどのように変わるのでしょうか。<br>　<br>「中央銀行の中央銀行」といわれる国際決済銀行（Bank for International Settlements, BIS）は、近年の金融革新の特色として"open finance"、"open banking"を挙げています。そのうえで、これらを「顧客データを、顧客の承認を得た上で、さまざまなリソースを動員して活用する動き」と定義しています（*1）。<br>国際決済銀行は、2024年に公表した論文"Digitization of Finance"の中で、近年の新しい技術の代表例として、AI、分散台帳技術、クラウド、APIの４つを掲げています。そのうえで、最初の３つの新しい技術を活用する上でも、APIが全ての前提となると位置付けています（*2）。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>国際決済銀行の掲げる新技術のイメージ</strong></p>
<p><img alt="国際決済銀行の掲げる新技術のイメージ図" src="/lttf/assets/2604_ffil_01_a.jpg" width="809" height="361" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p>ここでイメージされている新しい銀行像とは、顧客のデータを中心とし、これをしっかりと守った上で、あらゆるサービスに開かれたAPIを通じてAIや分散台帳技術など新しい技術を応用したサービスと繋ぎ、顧客のために最善の活用を目指すネットワークとしてのバンキング像です。</p>
<p style="text-align: center;"><strong>新しいバンキング像のイメージ</strong><br><img alt="新しいバンキング像イメージ図" src="/lttf/assets/2604_ffil_01_b.png" width="824" height="627" class="mt-image-none" style="display: block; margin-left: auto; margin-right: auto;"></p>
<p></p>
<p>「デジタル化」と言っても、現存するフィジカルな金融インフラが全てバーチャル化されることが想定されている訳ではありません。例えば、実店舗を通じて得られる顧客のリアルな情報は、オンラインでは得られない情報としてむしろその価値を高めている面があります。また、「分散台帳技術」、「トークン化」と言っても、理論的には「集中型」と「分散型」のシステムにはそれぞれメリットとデメリットがある中、集中型と分散型の適切な組み合わせを実現できることが重要となります。<br>これらを考えても、AI時代のバンキングサービスを展望する上では、さまざまなリソースを顧客のために繋げられる、ネットワークとしてのシステムの柔軟性・弾力性が鍵になります。国際決済銀行がその前提となるAPIの重要性を強調しているのも頷けます。</p>
<p>では、そうした「顧客のデータをさまざまなリソースを繋いで活用し、顧客の利益を実現していく」というネットワークの運営者が「金融機関」「銀行」であることの意義はどこにあるのでしょうか。次回はこの問題を取り上げていきます。</p>
<p><span style="color: rgb(149, 165, 166);"><cite>出所： <br>（*1）<cite><a href="https://www.bis.org/publ/bppdf/bispap168.htm" style="color: rgb(149, 165, 166);">国際決済銀行"Opening doors to open finance: evidence from the international experience"（2026年3月）より。</a></cite> <br>"By enabling the sharing and use of customer-permissioned data, open finance can foster innovation, competition and financial inclusion." <br>（*2）<cite><a href="https://www.bis.org/bcbs/publ/d575.pdf" style="color: rgb(149, 165, 166);"> 国際決済銀行"Digitization of Finance"（2024年5月） </a> </cite></cite></span></p>
<p></p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">所属・役職は記事公開当時のものです</span></p>
<p></p>
<div class="related-post">
<h3 class="related-post__title">関連情報</h3>
<p class="related-post__sub">Future Financial Innovation Lab（FFIL）</p>
<p>フューチャーは、AIをはじめとする先端技術を活用して金融イノベーションを進めていくための研究組織として、Future Financial Innovation Lab（所長：山岡浩巳）を開設しました。 今後、「世界の金融イノベーションの先端動向に関する調査研究」「フューチャーグループの技術を活用する金融イノベーションの調査研究」「フューチャーグループの提供するインフラの応用可能性に関する調査研究」などの活動を行っていくことを展望しています。</p>
<p>プレスリリース　<a href="https://www.future.co.jp/press_room/PDF/PressRelease_Future_Financial_Innovation_Lab_20260423.pdf" target="_blank" rel="noopener">Future Financial Innovation Lab（FFIL）を開設 金融領域における先端技術の活用とイノベーション創出に向けて（2026/4/23）</a></p>
</div>
<p></p>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260427_ffil-ai-banking/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260427_ffil-ai-banking/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">AI</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureFinancialInnovationLab</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">InfiniBANK</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">山岡浩巳</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">金融</category>

<pubDate>Mon, 27 Apr 2026 10:00:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260423_lttf_ffil01-mv.jpg" type="image/jpeg" />


</item>









<item>
<title>開催レポート 「ＦＩＦエグゼクティブセミナー2025 企業価値を高めるためのDX戦略 DXの最前線から、その先へ」</title>
<description><![CDATA[<h2>ＦＩＦエグゼクティブセミナー 開催概要</h2>
<p>F I Fでは、「イノベーションで人と社会を豊かに」をコンセプトに、企業の経営層や次世代リーダーが業界や業種の枠を越えて共有のビジネス課題を議論し、イノベーションの活路を見出す場としてセミナーを開催しています。<br>本セミナーでは、東京大学 先端科学技術研究センターで人間拡張と自在化に関する研究を推進する稲見 昌彦様と、旭化成株式会社の研究開発・DX・知的財産を統括する久世 和資様に登壇いただき、最新技術のビジネス実装の可能性と先進的なDXの事例についてご紹介いただきました。</p>
<h2>特別講演「『自在化』はビジネスや社会に何をもたらすか」</h2>
<p><strong>東京大学 総長特任補佐 先端科学技術研究センター 副所長 教授 稲見 昌彦様</strong></p>
<p>多様な技術を駆使し、人間がやりたいことを時空や身体的制約を超えて実現することを目指す「自在化」という概念が、未来のビジネスにもたらす可能性について多角的な視点からご紹介いただきました。</p>
<p></p>
<p><img alt="東京大学 総長特任補佐 先端科学技術研究センター 副所長 教授 稲見 昌彦氏" src="/lttf/assets/260113_lttf_fif-seminar_01.jpg" width="964" height="542" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"> 「テクノロジーが人間の能力を超えるということは、産業革命を含めこれまでも度々ありましたが、AIが発展したからといって人間のやることがなくなるわけではありません。また全く違うことを創造していくのが人間なのではと思っています。</p>
<p>LLMをロボットに応用し、人とロボットだけではなく、人とロボットとAIが一体化する時代も来るのではないかと思っています。人がやりたくない仕事をロボットに代替させる「自動化」に対して、コミュニケーションや表現といった活動を、AIを活用して人馬一体ならぬ人機一体で実現しようという考え方が『自在化』。それを支える技術が、我々が研究する『人間拡張工学』であると捉えています。</p>
<p>バーチャルリアリティなど、言語を介さず感覚を伝える技術を使って新しいスキルのトレーニングを行い、適切な成功と失敗を経験させることで人間の学習を加速する研究も行っています。また、AIを活用して人と人とのコミュニケーションを適切化する技術も考えられます。個人のメンタルヘルスの不調や、組織内のコミュニケーション不全により失われる生産性を、AIが自動翻訳機ならぬ『自在翻訳機』となってうまくサポートする。それによって個人が100%の実力を発揮でき、組織の生産性向上も実現できるのではないか。そうした『こころの自在化社会』にもチャレンジしていこうと思っています。」</p>
<p><img alt="稲見 昌彦氏のセミナーの様子" src="/lttf/assets/260113_lttf_fif-seminar_02.jpg" width="964" height="542" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"></p>
<p>「産業革命が肉体労働からの解放、情報革命が頭脳労働からの解放とするならば、AIの力を使うことで次に起こるのは、人間を感情労働から解放する『情動革命』ではないでしょうか。今後AIを企業の中に取り込んでいく一つのヒントになるかもしれません。</p>
<p>ポストAI時代では、キュリオシティとモチベーションが重要なリソースになると思っています。教育機関としての大学では、どのように組織の構成員にそれを伝え、維持できる環境を作るかを考えていきたいと思いますし、ビジネスの組織でもこうしたことが新しいサービスを生み出す原動力になるのではと思っています。我々も大学の研究者と企業の方々、学生が手を携えて新しいクリエイティブ、新しいアイディアを世の中に実装していくハブになろうと取り組んでいます。</p>
<p>DXを効率化の終着点とするならば、自在化はクリエイティビティの出発点と言えるのではないかでしょうか。リーダー自身が自在化する組織のビジョンを掲げ、変化を恐れず成長を楽しむ文化を醸成することが、企業の価値創造の原動力になり、社会を変える力になると思っています。」</p>
<h2>特別講演「DXが切り拓く企業の未来」</h2>
<p><strong>旭化成株式会社 取締役 副社長執行役員 研究開発・DX・知的財産統括 久世 和資様</strong></p>
<p>DX推進が加速し、多くの企業がデータ活用と企業価値の向上に注力するなか、旭化成におけるものづくり技術とデジタル技術融合の具体的な取組みについて、事例を交えてご紹介いただきました。<br> <img alt="旭化成株式会社 取締役 副社長執行役員 研究開発・DX・知的財産統括 久世 和資氏" src="/lttf/assets/260113_lttf_fif-seminar_03.jpg" width="964" height="542" class="mt-image-none"></p>
<p>「旭化成はマテリアル・住宅・ヘルスケアの3領域を主な事業としており、3領域経営による価値創出が経営課題となっていました。3事業に横串を刺し、シナジーを生み出す意味でもDXが活用できると考えます。グループのデジタル変革を進めるにあたっては、導入期・展開期・創造期・ノーマル期に分けてロードマップ化し、重点分野を定めて取り組みました。いまは全従業員がどのような現場でもデジタルを活用するマインドセットで働く『デジタルノーマル期』へ移行しています。</p>
<p>DXの『D』であるデータとデジタル技術を使いこなすことは、あくまで手段です。目的は『X』であり、製品、サービス、ビジネスモデル、業務、プロセス、組織風土などの継続的な変革です。当社ではデジタル共創本部を設立し、現場が変革に向けて自走できるように各現場のリーダーとなるデジタルプロ人材を育成し、事業とデジタル技術のマッチングも推進するなどしてDXをスケーリングしてきました。</p>
<p>全員参加・現場主導・事業領域の壁を越えた共創を掛け合わせることで、デジタルプロ人材数、データ活用量、増益貢献のすべてにおいて目標を達成しました。生成AIについても全社での活用を促進し、全従業員が安全にAIを使える教育やサポートも行い、競争力強化やリスク低減など、各事業の強化と拡大に大きく貢献しています。」<br> <img alt="ＦＩＦエグゼクティブセミナー2025の様子2" src="/lttf/assets/260113_lttf_fif-seminar_04.jpg" width="964" height="542" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"></p>
<p>「多様な無形資産からの価値創造とは、事業への貢献であり、ひいては社会に還元しサステナビリティの好循環を生み出すことです。無形資産には技術やノウハウ、知的財産、ブランド、お客様とのリレーション、デジタルなど様々な要素のほか、社風・人材があります。企業の強みは人の中にあると考えています。</p>
<p>無形資産を活用してソリューション型事業とIP（Intellectual Property, 知的財産）アセット型事業の2パターンで展開を推進しています。ソリューション型事業では好事例として、イオン交換膜法食塩電解事業において業界で唯一となるすべての要素技術（電解槽、膜、電極、セルなど）提供に加え、テクニカルサポートとモニタリング技術による効率的かつ最適なオぺレーション提供までを実現しました。</p>
<p>さらに、ノウハウを蓄積して技術的に共通する他の事業でも応用しています。IPアセット型事業では、従来は収益化に10年かかっていたところを、自社単独での製品化にこだわらず研究開発の段階で世界中から共創パートナーを探すなどすることで、早期の収益化を目指します。</p>
<p>皆さんの企業にも多くの無形資産が眠っているはずです。可能な範囲でIPアセットをオープンにして活用することで、日本企業ひいては日本全体が元気になることを願っています。また、日本企業がIPを持ち寄り、共に事業に取り組むことでさらに強くなるといったことができればと思っています。」</p>
<h2>当社からの発信「生成AIの最新動向とビジネス応用の可能性」</h2>
<p><strong>フューチャー株式会社 チーフリサーチエンジニア 博士 （情報科学） 森下 睦</strong></p>
<p>大規模言語モデル（LLM）の研究者である森下が、最新の研究成果と世界的な動向をご紹介し、当社の取組みも交えながらビジネス応用に関する今後の展望をお話ししました。</p>
<p><img alt="ＦＩＦエグゼクティブセミナー2025の様子3" src="/lttf/assets/260113_lttf_fif-seminar_05.jpg" width="964" height="542" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"></p>
<p>「2025年はソフトウェア開発に関するベンチマークであるSWE-benchと、博⼠レベルの専⾨知識を問う質問応答のベンチマークであるGPQAのスコアがともに急上昇しました。</p>
<p>進化の背景には、基礎技術としての『思考モデル』の精度が大きく上がったことと、応用技術である『エージェント』の発展が挙げられます。エージェントは様々なシステムと連携しながら自律して動作し、目的を達成します。多くの技術が交わることでAIの進化は成り立っています。</p>
<p>エージェントは、定型的かつ予測可能な環境でシンプルな⼿順に従って業務を遂⾏する『ワークフロー型』から進化してきました。フューチャーアーキテクトが開発した、金融機関向け戦略業務系システム『FutureBANK』が活用するエージェント技術は、数ある手順の中からAIが自律的に行動を選択し、人間がチェックしながら業務を遂行させる『限定自律型』と呼ばれています。</p>
<p>今後はさらに自律化が進んでいくとされ、数年以内には目的を示せば自力で手順も考える『完全自律型』が実現するといわれています。AIエージェント時代の業務では、⼈の役割は『作業者』から『管理者』に変わります。」</p>
<p><img alt="ビジネスに必要な3つのAI-Ready" src="/lttf/assets/260113_lttf_fif-seminar_06.jpg" width="964" height="542" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;"></p>
<p>「AIをビジネスに応用する準備として必要なのは、業務プロセス・業務データ・システム群の3つをAI-Readyの状態にすることです。<br>まず業務プロセスを、AIを⼈の補助機能とするAI-enabledの状態から、AIが中心となるAI-nativeに変⾰することで、効率化の幅も大きくなり、ビジネスの優位性が生まれます。</p>
<p>AIが業務に活⽤できない最大の要因はデータ不⾜です。AIは主に公開データから学習しているため、⾃社に特化するためには各社固有の⼗分なデータが必要です。<br>データは構造化されAIが意味を理解できる『解釈性』、常に最新の状態を反映する『リアルタイム性』、AIが機械的にアクセスできる『アクセス可能性』を備えることで活用しやすくなります。</p>
<p>AIの解釈能力は飛躍的に高まっており、これまで使えなかったデータにも新しい価値を生む可能性があります。既存の枠組みにとらわれないデータ活用への発想力や想像力が、競争力につながっていくと考えています。</p>
<p>システム群においては、AIにより業務を駆動することを前提に、リアルタイムのデータがシステム上で動作でき、多種多様なAIが24時間駆動できる、拡張性と柔軟性のあるアーキテクチャが求められます。</p>
<p>これら3つのReadyは互いに深く関係するため、全てを徐々に整備していくことにより、技術⾰新の効果を最⼤限に享受できると考えます。当社でもこうした考えからお客様の課題解決に取り組んでいます。」</p>
<p style="text-align: right;"><span style="color: rgb(149, 165, 166);">登壇者の所属・役職は開催当時のものです。</span></p>
<p></p>]]></description>
<link>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260203_lttf_fif-seminar/</link>
<guid>https://www.future.co.jp/lttf/detail/260203_lttf_fif-seminar/</guid>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">インサイト</category>


<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">AI</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">DX</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FIF</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">FutureBANK</category>

<category domain="[7](http://www.sixapart.com/ns/types)">インサイト</category>

<pubDate>Tue, 03 Feb 2026 10:00:00 +0900</pubDate>


<enclosure url="https://www.future.co.jp/lttf/assets/260113_lttf_fif-seminar-mv01.jpg" type="image/jpeg" />


</item>


</channel>
</rss>