2026.06.15
Future Global Designの完遂力。経営・業務・ITを越境しグローバル展開を成功へ導く
企業のグローバル展開が加速する一方、文化の違いや現地スタッフとの調整に悩み、意思決定の停滞に直面するリーダーは少なくありません。戦略が浸透せず、IT整備も進まない状況下で、変革を完遂させるために必要な支援とは。
今回はシンガポールを拠点に、日本企業のグローバル展開を支援するフューチャーのグループ会社であるFuture Global Design Pte. Ltd.(以下、FGD)の3名が、真に求められるグローバル支援の本質を語ります。
グローバル進出に立ちはだかる「理想」と「現実」の乖離
浜田 いま、日本企業が改めて海外市場へと目を向ける理由は、単なる規模の拡大だけではありません。背景には日本市場への危機感があります。為替の影響で円の価値が相対的に下落し、人口減少も進むなかで、企業はポートフォリオを再構築し、グローバルな視点でリスクヘッジを行う必要性が高まっています。
私自身、前職でメガバンクの企画業務を推進していた際も、日本国内の事例の横展開には限界を感じていました。当時から、シンガポールの大手金融機関などの先行事例をベンチマークしていたのを覚えています。
木村 一方で、実際にシンガポールをはじめとした現地に足を運ぶと、「戦略的な理想」と「現場の現実」のギャップに苦しむお客様が非常に多いのを肌で感じます。日本では大企業であっても、海外拠点では組織規模が小さく、潤沢な予算も確保しにくい。限られたリソースの中で日本と同等のDXを求められることが、担当者の「孤独な戦い」に拍車をかけているのが実情です。
中川 現地のシステム担当者が他業務を兼務していたり、主な業務がIT機器の管理や運用に留まっていたりと、大規模なシステム刷新プロジェクトの経験がないケースも多いですよね。こうした環境では、IT投資の優先順位が判断できず、結果として現地のITベンダーに丸投げせざるを得なくなります。
浜田 コンサルティング会社に依頼しても、「ここから先はスコープ外です」「ITの詳細はベンダーに聞いてください」と線引きされてしまい、結局プロジェクトが停滞するというのもよく耳にします。例えば大手金融機関のような、すでに海外進出を果たしている企業であっても、現地の商習慣や法規制に合わせた「真に機能するローカライズ」が十分にできていないといった根深い課題もあります。
中川 日本流のプロジェクトの進め方が通用しないだけでなく、文化や働き方の違いから前提条件がそろわず、認識の齟齬も起きやすいです。こうした現地のリアルを汲み取った上で、経営戦略をITや実務のタスクへ正しく落とし込めるようにするには、経営・業務・ITのすべてを理解し、領域を限定せずに動ける「越境するプロフェッショナル」が求められているのだと感じます。
経営・業務・ITをスコープレスに支える「現場主義」の実行力
浜田 私たちが大切にしているのは、特定のレイヤーに閉じないスコープレスな支援スタイルです。経営層と戦略を練る一方で、開発現場でコードを読み、現場の業務にも深く入り込む。この全方位をカバーする姿勢がフューチャー流であり、FGDの本質です。コンサルタントとして経営戦略に通じている会社は多いですが、私たち自身がエンジニアとして手を動かしてきた経験があるからこそ、現地のベンダーが何に悩み苦しんでいるのかも肌感覚で理解できます。ベンダーと対等に、時には強力にリードしながらプロジェクトを本質的な成功へと導けるのが我々の強みと自負しています。
木村 ある大手小売企業様のプロジェクトがまさにそうでした。日本人マネジメントが求めるゴールと、現地が直面する実態に大きなギャップがあり、双方のコミュニケーションがかみ合っていませんでした。そこに、より具体的な指示が欲しいベンダーも加わったことで、三者が三すくみの状態になり意思決定が完全に止まっていました。
こうした状況下で私たちがPMOとして入り、現場の課題を丁寧にヒアリングしながら「経営判断できる材料」に翻訳して可視化しました。誰かが最後の一人として責任を持ち、領域を問わずに交通整理をすれば、プロジェクトは必ず動き出します。
中川 グローバル展開するインテリア・ハードウェアメーカー様の事例では、さらに一歩踏み込んで、貿易実務の根幹である受発注の業務プロセスの改革を行いました。海外特有の複雑な書類作成や進捗管理に営業のリソースが奪われ、本来の顧客開拓に注力できていなかったんです。
本社からは見えにくい、こうした現地の「実務の目詰まり」を私たちが入り込んで特定し、BPR(業務再設計)から事務処理を自動化するシステム構築までを一貫して行いました。もちろん予算内に収めることにもこだわり、パッケージを有効活用しています。
浜田 現場とマネジメント層の溝を埋め、グローバルでのシステム刷新を完遂させる。このノウハウはお客様が自前で持つことが難しい領域です。言語の壁を越え、全方位のステークホルダーとぶつかり合いながらプロジェクトを推進するのは、FGDならではの醍醐味ですね。お客様に深く入り込むことで組織の本質的な課題も見えてくるため、単発の案件に留まらない中長期のパートナーシップへと発展していくこともできます。
中川 先ほどの事例でも、システム導入後の業務改善を高く評価いただき、「他国の支社にも同様の仕組みを展開してほしい」と継続的なご相談をいただきました。徹底した伴走を積み重ねることで、単なる支援者を超えた戦略的パートナーとして認めていただけるのだと感じています。
浜田 お客様との会話で「この案件に一番詳しいのは誰か?」という話になった際、真っ先に木村さんの名前を挙げていただいたこともありましたよね。お客様の業務を深く知り、目指す姿までを真剣に考えて向き合い、提案してきたからこそ、信頼いただいているのだと実感しました。
木村 あれはうれしかったですね。一方で、お客様にとって最終的な理想は「我々がいなくても自走できる状態」だとも思います。振り返りなどを通じて体制構築やベンダー選定の「あるべき姿」も積極的に共有することで、我々の知見を移管することも意識しています。

世界を舞台に、変革のエンジンであり続ける
浜田 今後の展望として、シンガポールはあくまで起点の一つに過ぎません。ここからASEAN全域、そして欧州や米州へと、支援の範囲を面で展開していく方針です。
中川 その展開を支えるのは「人」に他なりません。私も最初から英語が得意だったわけではありませんが、ITと業務の知見を武器に、自分のスキルを全て使ってまい進することで道を拓いてきました。志があれば変革を起こせることを私自身が体現することで、世界中のお客様のプロジェクトを加速させる原動力であり続けたいと願っています。そして、同じように挑戦意欲を持つプロフェッショナルを増やしていきたいです。
木村 私たちのゴールは単なるシステム導入ではありません。領域を限定せず会社としてのあるべき姿を二人三脚で考え、ともに全身全霊で戦うパートナーであり続けたいと思っています。
日本企業にとってグローバル進出は今後も必然の流れです。その最前線で企業の成長を加速させるエンジンになっていきたいです。
浜田 それはFGDの存在意義でもありますね。これからも「経営・業務・IT」の三位一体を武器に、グローバルという困難なフィールドで自分たち自身も挑戦を続けながら、お客様の挑戦を最後まで支え抜いていきます。
所属・役職は記事公開当時のものです