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開催レポート 「イノベーションワークショップ 2024-2025 第2回 企業価値を高めるためのDX戦略」
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開催レポート 「イノベーションワークショップ 2024-2025 第2回 企業価値を高めるためのDX戦略」

フューチャー株式会社が運営する社会貢献団体「フューチャー イノベーション フォーラム」(FIF)は2025年3月13日(木)、会員企業向けに「イノベーションワークショップ 2024-2025 第2回 企業価値を高めるためのDX戦略」を開催しました。

イノベーションワークショップ 開催概要

FIFでは、業種や業界を越えて交流を深め自己研鑽する場として、2007年からイノベーションワークショップを実施しています。
2024-2025シリーズは「企業価値を高めるためのDX戦略」と題し、全3回の講義とディスカッションをつうじて考察します。第2回は、荏原製作所のデジタル化を推進する小和瀬 浩之様に登壇いただき、企業変革をテーマに議論を深めました。

講演「荏原製作所におけるDXの取り組み 経営~業務部門~IT部門の三位一体の企業変革」

株式会社荏原製作所 執行役CIO(情報通信担当)小和瀬 浩之様

荏原製作所での取組みとして、経営戦略とIT戦略の一体化と、事業変革を実現する推進体制についてお話しいただきました。また、具体例として「攻めのDX」を推進するチームの取組みをご紹介いただきました。

FIFワークショップ2024-2025開催の様子01

「DXに取組むにあたり、D(デジタル)はあくまでも手段であって、目的はX(トランスフォーメーション)、つまり事業変革であると意識することが必要です。」

「荏原製作所では、中期経営計画E-Plan2025に示す基本方針において、IT戦略を明記しています。
例えば『基本方針4:経営インフラの高度化/効率化』では、経営資源をグローバルで把握する必要があるという考えから『グローバルITインフラ統合化、共通システムの拡大』などの施策を示しています。重要なのは、どのような企業にも当てはまるものではなく、自社に必要なことをできるだけ具体的に表現することです。
その上で、DXは経営・業務部門・IT部門が三位一体となり、全社をあげて推進していきます。特に社長の役割は大変重要で、社長が本気で取り組む会社ではDXが進んでいると感じます。」

「DXを『攻め』と『守り』の両面から推進するため、当社では2チーム体制で取り組んでいます。『攻めのDX』チームでは、最新のテクノロジーを活用して、製品、サービス、ビジネスモデルをグローバルに変革します。『守りのDX』チームは、これまでIT部門が行ってきた業務を中心に、1を10にも100にもする生産性の向上を目指す取組みを担っています。」

「『攻めのDX』を担う『データストラテジーチーム』は、0から1を生み出すための組織として、映像、ブランディング、脳科学など、多彩なクリエイティブ人材で構成され、昨年11月には、生成AIを活用した多言語対応プラットフォーム『EBARA AI Chat』を独自開発しました。また、デジタルツインによって再現した工場に、現場の知恵やノウハウ、経験といったナレッジを融合することで作業の標準化や効率化、生産性の向上を実現するデジタルトリプレットなども推進しています。『攻めのDX』による既存ビジネスの変革や新規ビジネスの創出は、コストの考え方も含め『事業戦略そのもの』です。プロフェッショナルによる内製化は、社内に新しい風を吹き込み、QCDの圧倒的な変革を実現しています。」

グループディスカッション「『企業変革』のための施策と課題」

6つのテーブルに分かれ、自社の取組みと現状の課題、取り入れられそうな点、参考になったポイントを話し合いました。
「攻めのDX」を担う組織の人材は、新規採用だけでなく事業・IT両部門からも配置・育成していくことが、更なる一体化の実現につながるといった意見や、経営層・事業部門が共に「攻めのDX」を自分ごととして捉えることの難しさ、重要性を改めて認識したという感想が寄せられました。

FIFワークショップ2024-2025開催の様子02

関連情報

FIFについて

FIFでは、会員企業向け「業種・業界の枠組みを越えた相互研鑽の場」をコンセプトに最新のビジネステーマを取り上げ、経営層や次世代リーダーが集い、議論や交流を深めるオープンイノベーションの場を提供しています。

FIF公式サイト

※登壇者の所属・役職は開催当時のものです。